こんにちは。先週のエリザベス女王杯は観戦されましたか? ルメール騎手の素晴らしいエスコートで、ブレイディヴェーグが見事勝利しました。生産者のノーザンファームは、今回の勝利で生産馬がJRA・G1実施機会10連勝と破竹の勢いを見せているので、今週のマイルCSもどのような結果になるのか楽しみです。

話は変わって、先週アメリカからとても残念なニュースが流れてきました。日刊スポーツでも既に詳細が報道されていますが、BCダートマイルを鼻差で勝利したコディーズウィッシュの馬名の由来になったコディー君が、レース後の帰宅途中に天国へ旅立ってしまいました。

コディーズウィッシュは去年もBCダートマイルを勝利し、コディー君との口取り式で全米を感動させてくれました。そして、今年は連覇という形で引退レースの花道をコディー君の前で飾るという本当にドラマチックな瞬間を見せてくれました。馬の引退レース後に自分の仕事が終わったかのように天国へ旅立ってしまったことは、彼が本当に馬とともに戦っていたんだと感じます。

コディーズウィッシュは、来年から種牡馬として活躍する予定ですが、この子供たちがまた父の意志を継いでコディー君のような子供たちを救ってくれる馬になることを祈りたいです。

以前もコラムの中で紹介していますが、現在、日本では少しずつですが、セラピー馬が活躍しています。私自身の経験からも馬は他の動物以上に何か特別な“第六感”があると感じます。人間は、文明の中で車が現れる170年ほど前まで馬とともに繁栄してきたこともあり、今の人間には理解出来ない心の関係が築けていると思います。日本では馬は危ないといった遠い存在になりがちですが、JRAや馬主さんたちが主導で身近になる環境を少しずつ作っています。

改めて心からコディーさんのご冥福をお祈りします。日本でもコディーズウィッシュのような馬が現れて、数多くの人を救える存在になって欲しいと願いますし、私自身も何か出来ないかと考えています。そして、ファンの皆さまも何かご意見があれば教えて下さい。さまざまな人の意見が形になれば、よりいい環境が作れると思います。

(レースホースコーディネーター)