エフフォーリア、ヴェラアズール、デアリングタクトなど、名だたるG1馬に出資してきたKAZFORIA氏が、出資馬を選択する上での着眼点を解説します。(毎週火曜日、木曜日更新予定)

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馬が速く走るためには馬体のバランスが良いことも大切で、まず体高と体長のバランスが重要である。体高については以前に当コラム【タイトル:大人と子供の運動会 2月14日掲載】でも述べたが、体長については通常、馬の胸から尻までの胴体の長さを計測する。そして、体高と体長の長さが同じで、馬の胴体と脚を含めた部分が正方形に見える馬がベストと言われている。

あくまで個人的な見解だが、エアレーションで芝が柔らかくなりパワーも必要な近年の馬場になってからは、体高よりも体長の方が多少長い「胴長馬」に活躍馬がシフトしている気がする。同じくパワーが必要なダート血統馬も胴長馬の方が良いと思う。ただ、クラブの測尺では体高は発表するが体長は発表せず、正方形とか長方形とかいう感覚的な判断は難しいし限界がある。

そこで今は募集馬カタログの写真を用いて、以下のような方法で、体長と体高のバランスをなるべく客観的に判断するようにしている。あくまで一つの方法として参考にしていただければと思う。

体高は、き甲の1番盛り上がった部分から定規で垂線を下ろし、右前脚の蹄(ひづめ)が地面と接する所までの長さを計測している。写真の蹄が芝生で隠れて見えない時は、蹄の位置を推測して図る。

体長は、まず馬の胴体(尻)の一番右端の部分から垂直な線を地面まで鉛筆で下ろしておく(以下「尻ライン」という)。そして馬の胴体の一番左端の部分(胸)から、尻ラインまでの長さを水平に図って計測する。

青のラインが体高。赤のラインが体長
青のラインが体高。赤のラインが体長

体長から体高を引いた数値「体バランス」が、以前に当コラム【タイトル:大人と子供の運動会 2月14日掲載】で述べた測定日A(7月15日以前に測定)で1ミリ、B(7月16日から9月15日の間に測定)で2ミリ、C(9月16日以降に測定)で3ミリ程度の多少胴長馬をベストと評価している。同数値が、Aで-3.5ミリ、Bで-2.5ミリ、Cで-1.5ミリ以下の胴が短すぎる馬や、6ミリ以上の胴が長すぎる馬は控えるようにしている。

この数値は体高9センチ程度が多いキャロットクラブ等を基準にしているので、各クラブの写真の大小により適宜按分計算が必要である。また測り方は人それぞれで誤差も生じるだろうし絶対という基準もない。応募候補馬に対して労をいとわず計測していれば段々慣れてくるだろうし、徐々に自分なりの基準をつかんでいただければと思う。キャロットクラブの中ではジンジャーパンチの21のバランスがいいように見えるので、可能な方はご覧いただきたい。