今週から5週連続で東京競馬場でG1が行われる。「ケイバラプソディー ~楽しい競馬~」は、奥岡幹浩記者が同競馬場で大人気の老舗カレー店を取材。G1ライブ観戦の機会がある方はぜひ訪れてみては。
学食で出てきそうな素朴な見た目のカレーライス。スプーンですくってほおばれば、深いうまみと、ちょっぴり刺激的な辛さが口に広がる。追加トッピングしたカツは厚切りでサクサクだ。東京競馬場の人気カレー店「ハロンボウ」。場内で約40年にわたって営業する老舗店は、優しくノスタルジックな味で競馬ファンの胃袋を満たす。
選び抜いた3種類のカレー粉を配合。前日からじっくり煮込み、一晩寝かせることでコクが増す。ハロンボウのスタッフ内藤正仁さん(60)は「ダービーなど大きなG1では、500~600杯出ます」と明かす。当初は場内の別の場所で、レストラン形式による営業だった。1993年のメモリアルスタンド完成とともに同地下に移転。ファストフード形式になっても、おいしさは創業時から変わらない。
ハロンボウ経営者で、名物女将(おかみ)として店頭で切り盛りした保谷フミ子さんは、今年2月に逝去した。享年84。彼女は馬主でもあった。代表的所有馬ハッピーマキシマム(奥平真治厩舎)は2000年頃にオープンで活躍した。
晩年の保谷さんは、オールマキシマム(奥平雅士厩舎)を所有。奥平師は「親子2代でお世話になった」と保谷さんに感謝し、「とても顔の広い方。地元の名士のような女性だった」と敬意を表する。競馬開催中は調教師業が忙しく、ハロンボウのカレーを口にする機会はなかなかないものの、「また今度食べたいなあ」としみじみ語る。
保谷さんの“忘れ形見”のオールマキシマムは親交があった別の馬主へと名義が替わり、先週の新潟でも3着に入るなど元気に走り続ける。春の東京開催が始まり、ハロンボウのスタッフたちには忙しい日が戻ってきた。「先代社長の思いを継いで、みんなで頑張らなきゃ」と内藤さん。競馬ファンのため、おいしさマキシマムのカレーを作り続ける。【奥岡幹浩】
(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)






