“東京千八モンスター”はどの馬だ-。エプソムC(G3、芝1800メートル、12日=東京)の最終追い切りが8日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」は東京芝1800メートルに重賞勝利のある関東馬に東京の2記者が注目。安田記念の3連複1万1810円を的中させた井上力心(よしきよ)は連覇を狙うザダル(牡6、大竹)を推した。桑原幹久は20年共同通信杯勝ちのダーリントンホール(牡5、木村)をプッシュした。

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井上 いや~ボクシングの井上選手、本当に強かった。俺も同じ「井上」として負けられないね。エプソムCはザダルの連覇に期待するよ。

桑原 おっ。春G1絶好調の「G1モンスター」じゃないですか。

井上 東京芝千八で【1 0 1 1】と掲示板を外してない。昨年のエプソムCは8カ月の休み明けで重賞初制覇。大竹師も「びっくりした」と激走に驚いたようだけど「今回は休み明け2走目。去年よりも体調はいい」と自信を見せていたね。

桑原 前走ダービー卿CTは良馬場発表でも緩い馬場に苦戦して10着。今週末は雨の予報もありますが。

井上 3歳時に重馬場のセントライト記念で3着もある。今回は12頭立てになりそうで、さばきやすい頭数。馬場のいい部分を走れれば問題ないね。

桑原 直前の動きはどうですか?

井上 美浦ウッドでの最終追い切りはラフシー(3歳1勝クラス)を2馬身半追走して楽に併入。5ハロン69秒1-11秒2と湿った馬場も気にせず、軽快な走りが目立ったよ。

桑原 僕は「大食いモンスター」の名にかけてダーリントンホール推しです。

井上 変な自称は置いといて、今回と同じ舞台で出世レースとして有名な共同通信杯の勝ち馬だね。

桑原 当時、やや重の馬場をものともしませんでした。太田助手も「力のいる馬場でも問題ない」と適性の高さを評価しています。

井上 ただ、その共同通信杯から白星がないし、マイル戦を続けて使われた点は気になるな。

桑原 ここ2走は2、3着と復調気配で、特に前走ダービー卿CTは中団から伸びて勝ち馬と0秒2差。同助手は「ここ2戦は競馬ぶりが安定。久々の1800メートルも対応できるでしょう」と成長を口にしています。最終追い切りでは内ヴィアルネッサンス(3歳未勝利)、外ランドアーティスト(古馬1勝クラス)の真ん中で我慢しながら巨体を力強く揺らして、内に2馬身先着、外に併入。5ハロン68秒3-11秒5(馬なり)と充実ぶりが表れていました。

井上 東京千八の鬼はどっちになるか…。

松田 2人とも詰めが甘い! 去年東京千八の府中牝馬Sを勝ったシャドウディーヴァも忘れずに。

井上、桑原 うっ…。「先輩モンスター」の鬼の指摘でKO寸前です。