函館出身のルーキー鷲頭虎太騎手(18=千田)が父の日に、両親の目の前で勝利を挙げた。

5番人気エヴリーサンクス(牝、小手川)に騎乗。出たなりで中団を追走して4角で前を射程に入れると、直線では先に抜け出したキュートヘスティアをゴール前で鼻差差し切り、パートナーを初勝利に導いた。勝ちタイムは59秒4。

鷲頭騎手は「ブリンカーを着けて変わっていると厩舎の方から聞いていました。ゲートであまり(前に)行けませんでしたがペースが流れた分、ためが利きましたし、最後もギアが上がって頑張ってくれました。最後は届いてほしいと思いました」と振り返った。18日に続く土日連勝で、JRA通算3勝目。レース後には大きな拍手が競馬場に響いた。「チャンスがある馬に乗せていただいてありがたいです。結果を出すことができてうれしいです」と笑顔を浮かべた。

この日は地元でパン屋「Pain屋」を営む両親が競馬場に駆けつけた。鞍上は「そこは気負わずに乗りました」と淡々と話したが、両親には親孝行の勝利だ。母悦子さん(47)は「先週も来ていました。とにかく無事にゴールすることだけ、迷惑かけないでほしい、と思っていました。(僅差の勝利に)最後は思わず叫びましたね。昨日も友達がたくさん来てくれたみたいで励みになります」。父幹彦さん(48)は「昨日勝ったのをラジオで聞きながら仕事をしていました」と土日Vを喜んだ。この日は父の日。凱旋勝利とともに最高のプレゼントを贈った。