<宝塚記念>◇26日=阪神◇G1◇芝2200メートル◇3歳上◇出走17頭

2番人気のタイトルホルダー(牡4、栗田)がレコードVで最強王者を襲名した。横山和生騎手(29)の勇敢な騎乗に応えて2番手から押し切り、G1馬5頭が集った頂上決戦で2馬身差の完勝。秋は凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=仏パリロンシャン)へ直行で挑戦する見通しとなった。

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「横山家の人間は、絶対同じこと(失敗)を2回しない」。タイトルホルダーの生産者、岡田スタッド・岡田牧雄代表の取材中、少しだけ語気が強くなった。話題は昨年有馬記念、パンサラッサの2番手から直線早め先頭も5着。今回も同馬がいる。同じ展開になるか-そう聞いた際の返答だ。「あの時は和生くんもテン乗りだったからしょうがない。今は自信を持っている」。言葉は、さらに力強くなった。

同馬は昨年ダービー後、北海道に戻り、昼夜放牧で成長をうながした。「自由な日光浴、自由な放牧。馬が孤独になれる。野生に戻して心身ともにリセットする」。それが成長につながるという、牧場としての信念がある。有馬記念ではエフフォーリアに完敗。皐月賞もダービーもかなわなかった。4度目の対戦で年度代表馬に勝った。

パンサラッサをかわし直線先頭…有馬記念はラスト200メートルを切ってからかわされたが、今回は脚が違った。鞍上が馬に気分良く走らせ、馬自身も成長力をみせつけた。ラスト1ハロンに、人馬の進化が詰まっていた。【中央競馬担当・網孝広】