フランスの上半期古馬最強馬を決めるサンクルー大賞は、英国からの遠征馬アルピニスタ(牝5、M・プレスコット、父フランケル)が制した。鞍上はルーク・モリス騎手で勝ちタイムは2分26秒15。昨秋にドイツで勝ったベルリン大賞、オイロパ賞、バイエルン大賞に続きG1・4連勝となった。

1番人気に推されていたゴドルフィンのハリケーンレーン(牡4、C・アップルビー、父フランケル)はまさかの8着に敗れた。

アルピニスタは芦毛のフランケル産駒で、祖母のアルバノバも04年にドイツでG1を3連勝している名牝。2歳時はエプソム競馬場のデビュー戦を勝ったものの、重賞ではフランスのG3オマール賞でサヴァラン(キーファーズ所有のディープインパクト産駒)の4着に敗れ3戦1勝。3歳シーズンはクラシックに出走こそならなかったが、G1初挑戦だった8月のヨークシャーオークスでラブから5馬身差の2着に好走した。昨年は4月にグッドウッド競馬場のリステッド、ヘイドック競馬場のG2を連勝した後、ドイツでG1を3連勝し、5戦無敗と本格化。今季初戦のサンクルー大賞を制して6連勝となり、通算成績は13戦8勝となった。

「レーシングポスト」電子版はプレスコット厩舎のバトラー助手の談話を紹介。同助手は「今年の初戦だったので、ここまで我慢してきて、少し心配もありましたが、彼女は才能にあふれた牝馬です。今年はもっと大きな舞台に彼女を連れて行かなければいけません」とコメントしている。秋には凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)への参戦も視野に入れており、大手ブックメーカー各社は同馬の単勝前売りオッズを修正。「bet365」は13倍、「ラドブロークス」「コーラル」「ウィリアムヒル」「パディーパワー」は15倍に設定している。

一方、心配されるのが惨敗を喫したハリケーンレーンだ。昨年は愛ダービー、パリ大賞、英セントレジャーを制し、凱旋門賞も3着に好走したが、4歳となった今年は始動戦だった前走ロイヤルアスコット開催のG2ハードウィックSがブルームの3着。今回も主戦のビュイック騎手を背に直線は伸びを欠いている。同馬の凱旋門賞へ向けたブックメーカーの単勝前売りオッズは軒並み評価を下げており、多くの社が17倍に設定している。