偉大な姉に続け! 期待の良血馬シリンガバルガリス(牡、松永幹、父オルフェーヴル)が、10日日曜の小倉新馬戦(芝1800メートル)でデビューを迎える。全姉は大阪杯やエリザベス女王杯連覇などG1・4勝を挙げた名牝ラッキーライラック。姉をほうふつとさせる雰囲気、走りを見せる期待馬が、アツい夏コクから大舞台へ羽ばたく。

   ◇   ◇   ◇

注目の良血馬が夏の小倉でベールを脱ぐ。母名にも入る落葉樹ライラックの学名から名付けられた名はシリンガバルガリス。全姉には19、20年エリザベス女王杯、20年大阪杯などG1・4勝を挙げた名牝ラッキーライラックがいる。馬体重は480キロ前後。姉も管理した松永幹師は「跳びの大きい走りや顔が小さいところなど雰囲気が似ているね。見た目のいい馬で素軽そうな感じですよ」と重ねる。

4月にゲート試験をパスすると、放牧を挟んで6月上旬に再入厩。坂路とCウッドを併用し、しっかり乗り込みを重ねてきた。6月29日の1週前追いでは、レースでも騎乗予定の松山騎手を背にCウッド6ハロン82秒5-11秒6。3歳1勝クラスのマテンロウスカイを追走し、併入した。師は「順調にきていますよ。1週前の動きも悪くなかったし、それなりに時計も出た。ジョッキーも言っていたように、すぐ反応するというタイプではないので乗ってもらって良かったと思います」と態勢は整いつつある。

姉のラッキーライラックは古馬になっても活躍したが、夏の新潟デビューから3連勝で阪神JFを制し、2歳女王にも輝いている。弟シリンガももちろん、初陣から注目される。「牡馬みたいだったライラックのように体もありますし、どんな競馬をしてくれるかですね」と師。アツい夏コクのターフから、偉大な姉の背中を追う。【奥田隼人】

◆“あつい”夏の小倉新馬戦 シリンガバルガリスが出走を予定する3回小倉4日目の新馬戦(芝1800メートル)では昨年、ピースオブエイトが勝利。そのまま無傷の3連勝で毎日杯を制し、ダービーにも出走した。そのダービーを制したドウデュースも夏の小倉デビュー組。昨年9月、夏コク最終日の小倉新馬戦(同)を勝ち上がり、頂点まで駆け上がった。ちなみに、その新馬戦で2着だったガイアフォースは先週の国東特別(1勝クラス)を勝ち、同3着馬フェーングロッテンはラジオNIKKEI賞を制覇。素質馬を輩出する夏コク新馬戦は要注目だ。