今年もセレクトセールの司会、進行役を務めるオークショニアからさまざまな名文句が飛び出した。「もうワンビットいかがでしょうか」。セールを盛り上げ、若駒たちの血統的な魅力を伝える言葉に耳を傾けてみた。

「限界突破の末脚」(種牡馬ブリックスアンドモルタルの現役時代を表現)

「荒ぶる魂ドゥラメンテ」「エネルギッシュな遺伝力ドゥラメンテ」「ドゥラメンテ産駒の上半期G1・4勝はディープインパクト、キングカメハメハ、サンデーサイレンス、それ以前はヒンドスタンしか成し遂げていない偉業」「タイトルホルダー、スターズオンアース、大舞台でこそ楽しそうに走ります」(ドゥラメンテの魅力を表現)

「(ナレラの21に対し)3代母はナゴヤ(名古屋)、近親ネパール」

「瞬発力を有しながらも上がりがかかるコースに強いキズナ産駒」(海外でも強い万能の大種牡馬キズナ)

「父サトノダイヤモンドもこの舞台(セレクトセール)から巣立ちました」(セール出身の超高額馬も走る)

「父は大排気量のアメ車、ドレフォンでございます」(初年度産駒ジオグリフが皐月賞を制し、説得力抜群)

「新設されたダート3冠を狙うのにふさわしい」(ノットオーソリティの21はパイロ産駒の最高取引額を更新。先日発表された3歳ダートクラシック3冠競走を意識した購買も…)

「フランケル産駒は昨年6カ国でG1を14勝しています。全世界に活躍馬を送る正真正銘のトップサイアーでございます」(大種牡馬の父ガリレオから英愛リーディングサイアーの座を奪ったフランケル)

「ダイナアクトレスのファミリー、成長力に不安なし」(代表馬がスクリーンヒーロー。その血はモーリスから多くの馬へ…)

「未完成のストーリー、シルバーステート」(現役時5戦4勝で重賞未出走も種牡馬入り。ディープインパクトの後継種牡馬にもさまざまな馬が…)

「キタサンブラックにひそむサクラバクシンオー譲りの上品な首差し。マイペースがハイペース、それがサクラバクシンオーでございます」(種牡馬キタサンブラックのスピードの源)

「才気煥発(かんぱつ)系スタリオン(種牡馬)、アメリカンファラオでございます」(大物感のある産駒が目立つ種牡馬)

「一歩先を行く完成度アドマイヤマーズの産駒。父方のスカーレットブーケを経由してノーザンテーストが成長を後押しする形」(当歳が初年度産駒の新種牡馬アドマイヤマーズ)

「安定と信頼のダイワメジャー」(堅実な走りを期待)

「砂の上 刻むステップ ルヴァンスレーヴ ライバルたちの動きは スローモーション」(フラーテイシャスミスの22が登場しての名調子)

「裏手ッ」「正面ッ」「ライト線から声が上がりました」「レフト線ッ」「左中間から」「こちらから見て、右中間深いところから…」(壇上から入札者=ビッダーの位置を野球的に表現)

「お声がなければハンマーが近づいてまいりますよ?」「ハンマー、上に上がりまして、中団に構えました」(白熱の競りも時間との戦いがある)