大舞台へつながる豪脚だ! 4番人気のブトンドール(牝、池添学)が、デビュー2連勝で世代初のJRA重賞を制した。中団後方から大外を伸び、逃げ粘る2着クリダームを差し切った。やや重馬場の勝ち時計は1分11秒8。鮫島克駿騎手(25)、池添学調教師(41)はともに今年のJRA重賞2勝目となった。

次走は未定だが、距離延長も視野にさらなる大舞台を目指していく。

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極上の末脚でねじ伏せた。ゴール後に左手を突き上げる。ブトンドールが見せた圧倒的な走りに、鮫島駿騎手は満面に笑みを浮かべた。「本当にうれしかったです。昨年はカイカノキセキ(2着)で悔しい思いをして…。同じ池添学厩舎の馬で勝てて良かったです」。何度もこぶしを握り、待望の勝利をかみしめた。

完璧なエスコートだった。好スタートを切りながら、なだめて中団の後ろで待機。とにかく馬のリズムを大切にして、3コーナー過ぎから上昇を開始した。「残り100メートルで勝利を確信しました。仕上がりが抜群で自信を持って乗りました」。デビュー前の調教からまたがる相棒を信頼し、冷静に勝利へ導いた。

自身の函館滞在は5年ぶり。さらなる飛躍を目指すため、並々ならぬ決意で夏を過ごしている。「常にG1にまたがっている騎手になりたいんです。特にクラシックはまだ乗ったことがないので、この夏、そこを目指せる馬と出会うためにも結果を残したいです」。地元九州の小倉ではなく、慣れない北の大地で己を磨く。そのひた向きな気持ちがひとつの結果となった。

人馬はさらなる大舞台を目指す。2歳世代初となるJRA重賞タイトルは通過点だ。「こういう競馬ができると、1200メートルだけでなく1ハロン延びても問題ないと思う。そういうところを視野に入れてやっていきます」と池添学師。次走は未定だが、フレッシュな人馬の活躍に楽しみは膨らむばかりだ。【藤本真育】

◆ブトンドール ▽父 ビッグアーサー▽母 プリンセスロック(スウィフトカレント)▽牝2▽馬主 合同会社雅苑興業▽調教師 池添学(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 2戦2勝▽総収得賞金 3846万2000円▽馬名の由来 金のボタン(フランス語)