夏競馬は今週で最終週を迎え、各場のリーディングが決まる。7月末に始まった「夏の新潟」(2・3回)は、先週8勝の固め打ちをした戸崎圭太騎手(42=田島)がトップ。3年ぶり5度目のリーディング獲得で今年も副賞の米俵をかつぐ。

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米どころ新潟で“夏男”の勢いが止まらない。戸崎騎手は夏の新潟で現在16勝。2位の福永騎手に4勝差をつけ、3年ぶり5度目のリーディングが見えてきた。騎乗数はトップの菅原明騎手に1戦差の73。同騎手は「今年はずっと新潟で乗せてもらっているので。前半は暑かったですが、お盆を過ぎてからは暑さも落ち着いて楽になりました」と環境の変化に対応し勝率21・9%、連対率34・2%と高水準の数字を残した。

好成績の要因は食にある。小麦などに含まれるタンパク質の一種、グルテンを除く「グルテンフリー」を肉体改造のため16年から実践している。テニスプレーヤーのジョコビッチ選手や、サッカー長友佑都選手らも導入する食事療法で、パンやパスタなどを避けて米、肉、魚を中心に食事を組み立てる。同騎手は「暑いのは好きじゃないですけど、グルテンフリーのおかげで体は楽ですね」と効果を実感。継続を力に変えている。

ひそかな楽しみもある。夏の新潟リーディングを獲得すると、副賞で魚沼産コシヒカリ1俵が贈られる。米は「グルテン-」の範囲に制限されないだけに「お米は食べられますし、子どもも3人いるのでありがたいですね」とパパの株を上げるチャンスも近い。先週は新潟2歳Sをキタウイングで制覇。今週はココロノトウダイで臨む自身10度目の新潟記念で初制覇を狙う。白米を力に、白星を量産し続ける。【桑原幹久】

◆戸崎騎手の新潟重賞V レパードS(14年アジアエクスプレス、16年グレンツェント)、関屋記念(16年ヤングマンパワー、20年サトノアーサー)、新潟2歳S(20年ショックアクション、22年キタウイング)を2勝ずつ。中山が改修工事中の14年オールカマー(マイネルラクリマ)も勝っており計7勝。