秋華賞TR紫苑S(G3、芝2000メートル、10日=中山、3着まで優先出走権)の最終追い切りが7日、東西トレセンで行われ、オークス2着馬スタニングローズ(牝3、高野)が軽快な動きを見せた。坂路で4ハロン52秒6-11秒9の好時計をマーク。秋初戦へ十分な仕上がりぶりを見せた。

1本目を4ハロン71秒6で軽く上がった後の2本目の登坂。スタニングローズは、京成杯AHに出走するファルコニアを前に見ながら駆けだした。前半は静かな走りだったが、ゴールが近づくごとに動きが大きくなりラスト1ハロンは11秒9(4ハロン52秒6)。朝一番のきれいな坂路ではなく、馬場が荒れた時間帯(午前7時42分)での11秒台は秀逸だ。「十分な動き」と高野師は満足した。

オークスはラスト100メートルで先頭に立ったところを桜花賞馬スターズオンアースにかわされたが、最後までしっかりと伸び続けた。「十二分な内容だった」と師は評価する。レース後、レーン騎手は「体には成長の余地があり、完成すれば楽しみ」と語っていたが、ひと夏を越えて理想的な成長を見せている。「放牧を挟んでボリュームが出て、大きくなって帰ってきた」とトレーナーは進化を認める。春よりもパワフルになった調教の動きはその成果だろう。

秋華賞(G1、芝2000メートル、10月16日=阪神)への出走には賞金的な心配はない。それだけに今回は「目いっぱいではない」と師は言うが、秋初戦を戦うには「十分な仕上がり」と話す。まずはトライアルで、オークス2着馬の力を見せるだろう。【岡本光男】