サマースプリントシリーズ最終戦、セントウルS(G2、芝1200メートル、11日=中京、1着にスプリンターズS優先出走権)の木曜追いが8日、栗東トレセンで行われ、前走北九州記念を16番人気で制したボンボヤージ(牝5、梅田)が最終調整をこなした。
ポリトラックコースを馬なりで5ハロン66秒8-12秒3。同シリーズ首位ナムラクレアとは4ポイント差。重賞連覇で逆転を狙う。
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まだ薄暗い午前5時半過ぎ、川須騎手を背にボンボヤージがポリトラックコースを駆けた。向正面から半マイルを馬なりでサッと流す程度。落ち着きながらも、軽快な動きだった。
前走の北九州記念は16番人気の低評価を覆す激走V。反動はなく、状態は維持している。梅田師は「時計はあえて出さなかったけど、予定通りです。テンションを上げないように馬なりで、しまいまでノーアクション。馬は出来上がっている。前走も木曜に追い切っているのでね」と話した。
北九州記念からセントウルSのローテーションは昨年と同じだが、今年は景色が違う。馬も大きく進化し、調教ゼッケンにも重賞馬の証しである名前が入った。「去年は気力もなかったし、ピークが過ぎていた。今年は馬がピリついていないし、パワーアップしています」と成長を口にする。
川須騎手のエスコートも心強い。昨年9月以降は追い切りに必ず騎乗して、馬とのコンタクトを欠かさなかった。師も「ジョッキーとのコミュニケーションのことは何も心配していない」と信頼を寄せている。
重賞2勝を挙げ、19年セントウルS2着の全兄ファンタジストは、レース中の急性心不全で命を落とした。「ファンタジストは北九州記念を惨敗して、セントウルSが2着。今回は逆だからね…」と師は冗談めいて話す。天国の兄にも勝利を届けたい一戦。
2着以上なら、サマースプリントシリーズ逆転優勝も確定する。秋風とともにターフを駆け抜け、いざ栄光をつかみ取る。【下村琴葉】
◆サマースプリントシリーズ優勝のゆくえ 優勝条件は対象レース1勝以上かつ13ポイント以上。函館SS1着、北九州記念3着のナムラクレアが14ポイントで暫定王者となっている。セントウルS出走馬の中で優勝の可能性があるのは4頭。北九州記念勝ちのボンボヤージだけは今回勝てなくても2着(計16ポイント)、3着(計15ポイント)でナムラクレアを逆転する。タイセイアベニール(現在4ポイント)、モントライゼ(同3ポイント)、ファストフォース(同2ポイント)は今回1着が最低条件で、その上でボンボヤージの着順次第。仮にファストフォース1着、ボンボヤージ4着だとナムラクレアを含めて14ポイントで並んだ3頭が王者となる。

