偉大な遺伝子が今年も力を発揮する。

日曜東京ではセントポーリア賞(1勝クラス、芝1800メートル、29日)が行われるが、ドゥレッツァ(牡、尾関)が注目される。父ドゥラメンテは15年の同レースを勝ち、その後は皐月賞、ダービーの2冠を制覇。昨年も同産駒のドゥラドーレスが勝利した好条件の舞台だ。過去に02年2着シンボリクリスエスなど、数多くの馬が後にG1馬となった。出世レースで連勝を飾る。

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父の良さがある。ドゥレッツァを管理する尾関師は笑みを浮かべた後、真っすぐな目で口を開いた。「タイプは少し違うと思います。ただ、スイッチが入った時の走り。これはお父さんの良さを受け継いでるのかなと」。能力の高さがある。かかる期待は大きい。

強さを証明した。前走の未勝利戦。スタートで立ち上がるそぶりを見せたが、道中は5番手を追走。直線では上がり3ハロン33秒4の末脚で、素質馬サトノグランツをゴール前で首差捉えた。「2着馬も能力が高い馬でしたからね」。師は好レースに力を込める。くしくも父と同じく11月の東京未勝利戦を上がり最速で勝ち上がり、今回のレースに挑む。

状態もいい。19日には美浦ウッドで2頭併せを行い、6ハロン82秒9-11秒7(強め)をマークした。「先週は少し馬体も立派でしたね。今週でしっかりと仕上げて、力を出せる状態で出走させたいですね」。さらなる上積みを見込む。

デビュー2戦の2000メートルと違い1ハロンの短縮。「ジョッキー(ルメール騎手)は距離が長くてもいいと。今回のスピードに対応できて、その後、距離を延ばしていければ」。ここで軌道に乗れば、父と同じ出世街道が見えてくる。後の栄光につながる一戦を目指す。【阿部泰斉】

◆出世レースのセントポーリア賞 94年1着のオフサイドトラップは4年後の天皇賞・秋でG1初制覇。翌95年の覇者ジェニュインは若葉Sでの連勝をステップに同年の皐月賞馬に輝く。その後は96年マイルCS制覇と活躍した。02年2着のシンボリクリスエスは、同年と03年の天皇賞・秋を連覇するなどG1・4勝を挙げた。