“レジェンド”武豊騎手(53)が4日小倉1Rで、前人未到のJRA通算4400勝を達成した。その後も同3、7Rを勝ち、JRA通算勝利数は4402勝に。さて、地方競馬、海外競馬も合わせた生涯勝利数は…。日刊スポーツ大阪本紙担当・太田尚樹記者が考察する。

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53歳のレジェンド武豊騎手が大目標として公言するのが「5000勝」だ。僕も何度か耳にしている。JRA通算なら残り598勝。昨年(75勝)のペースなら、8年後の2031年に61歳で達成する計算だ。

では、地方や海外も合わせたキャリア通算勝利数は?

なんと、それが本人も「よく分からない」と苦笑いする。JRAの公式サイトにはJRA4402勝、地方172勝、海外13勝で総計4587勝とある。ただし「地方・海外の指定レースでJRA所属馬に騎乗した際の成績となります」と注釈がつく。たとえば、フランス馬スキーパラダイスで制した仏G1ムーランドロンシャン賞などは含まれていない。つまり、もっと多い。

あらためてJRAに問い合わせると、手元に記録が残っていないケースもあり、正確なカウントは難しいという。たしかに海外の成績は各国の管轄となるため、武豊騎手自身も「知らない間に勝利を取り消されたことがある」と明かす。フランスで地元馬に乗って勝ったものの、のちに騎乗馬から禁止薬物が検出されて失格になったという。

実際には地方と海外を合わせて少なくとも300勝以上は挙げている。よって、キャリア5000勝までは残り300勝を切っており、今のペースなら3年後の26年に大台へ到達する。遅くとも、それまでには世界中の記録を集めて、偉大な生涯勝利数を正しくカウントしておきたい。われわれメディアに課された宿題だ。

もっとも、本人は細かい数字にこだわりはないようだ。先日の栗東トレセンでも、この話題になったが「ばんえいのエキシビションで(11年に)勝ったのも入らないかな?」とジョークを飛ばしていた。欲しいのは過去の1勝より、次の1勝。意欲にも技術にも衰えはない。JRA通算5000勝でさえも、実現できると思えてしまう。【中央競馬担当=太田尚樹】