さらなる高みへ－。3月から実質の“2年目”を迎えた今村聖奈騎手（19＝寺島）がいっそうの飛躍を誓う。

昨年はJRA51勝を挙げて最多勝利新人騎手賞を獲得。今年もすでにJRA11勝と好スタートを決めているが、今月からは「マンスリー目標」を立てて、自身のさらなる成長を描く。ますます加速する2年目の聖奈が、昨年、今年への思いを語った。【取材・構成＝藤本真育】

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新人騎手がデビューした先週末、今村聖奈騎手は実質の2年目を迎えた。調教で着用する帽子の色は新人の黄色から2年目以上の青色へ。後輩ができたことで改めて引き締まる。

「もう1年がたつんですね。デビューしたちょうど1年前のことは鮮明に覚えていますし、本当に早かったです。そう考えると、もっともっと成長しないといけないなと思います」

ルーキーイヤーは大活躍だった。デビュー3カ月でJRA新人女性騎手の最多勝10勝に到達。10月には45勝でJRA女性騎手の年間最多勝記録も更新した。7月のCBC賞では重賞初騎乗初勝利。最終的には、JRA史上5人目となるデビュー年50勝を挙げた。まさに記録ずくめの1年だったが、裏を返せばまだ1年。今村騎手はもちろん、前しか見ていない。

「自分の満足できないレースが多かったです。勝ちに急いでいるというか、馬のことを考えた騎乗がまだできていなかった部分もあったと思います。今年こそはひと鞍でも誇れる競馬をしたいです」

昨年以上を目指し、今月から「マンスリー目標」を立ててレベルアップを目指す。「3月ということで気持ちも新たになりましたし、1カ月ごとに個人目標みたいなものを立てて、やりたいと思っています」。今月の目標は筋力トレーニング。「体幹など、ジムに通って本格的に取り組みたいです。今まで以上に頑張ります」。毎月のハードルを越えるたびに新たな自分になっていく。

今年もすでにJRA11勝（6日現在）と好スタート。しかし、その歩みが止まることはない。常に自身を見つめ、長所を伸ばし、短所をなくす。“2年目”はまたひと味違う今村聖奈が見られそうだ。