新星サトノグランツ(牡、友道)が3連勝で“東上最終便”に飛び乗った。川田将雅騎手(37)に導かれ、中団から瞬発力勝負を差し切った。

サトノダイヤモンド産駒はJRA重賞初制覇。次戦予定のダービー(G1、芝2400メートル、28日=東京)では、16年にマカヒキの鼻差2着に敗れた父のリベンジもかかる。

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父を思わせる額の白い星が、ゴール寸前で前へ出た。1~4着まで同タイムの激闘。首差で大舞台への扉をこじ開けたのはサトノグランツだ。馬上で躍動した川田騎手は左手で首筋をポンとたたいてねぎらった。

「無事に届いて何よりです。(ペースは)遅かったですけど、この馬の競馬に徹しながらの道中でした。みんな伸びている、その中で『差し切ってくれ』と思っていました」

内容としても価値ある勝ちだった。前半1000メートル通過63秒8の瞬発力勝負を外から差し切った。上がり33秒3は自己新。3連勝の充実を数字で示した。現役調教師最多、ダービー3勝の友道師も「一戦ごとに力をつけている。体はまだ緩いけどしっかりしてきて、調教も動けるようになった」と成長を実感する。

次戦は東上してダービーへ向かう。今回がJRA重賞初Vとなった父サトノダイヤモンドは16年に鼻差で2着。当時、立ちはだかったのは、川田騎手、友道厩舎のマカヒキだった。鞍上は「成長が伴えばという部分も残されているので、もっと良くなってくれると思います」と伸びしろを見込む。4連勝での父超えも決して夢ではない。【太田尚樹】

◆サトノグランツ ▽父 サトノダイヤモンド▽母 チェリーコレクト(オラトリオ)▽牡3▽馬主 里見治▽調教師 友道康夫(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 5戦3勝▽総収得賞金 7315万5000円▽馬名の由来 冠名+輝き(独)