英国王室主催のロイヤルアスコット開催が、火曜(20日)に幕を開けました。

土曜(24日)まで続く5日間の開催中には8つのG1競走を含む19の重賞競走が行われ、2歳馬によるレースも初日のG2コヴェントリーS(芝1200メートル)を筆頭に4つの重賞と2つの準重賞が行われることになっています。

今年のキーパーソンは2人。国王となって初めてロイヤルアスコット開催に臨むチャールズ新国王と、今年いっぱいの引退で、これが最後の出場となるL・デットーリ騎手です。

エリザベス女王から引き継いだ馬遺産の中から選抜された9頭を複数のレースに出走させる予定のチャールズ国王(馬主名義は国王とカミラ王妃)の初陣は、初日の準重賞ウォルファートンS(芝1990メートル)に臨むサーガ(せん4、父インヴィンシブルスピリット)。女王と親交の深かったJ&T・ゴスデン厩舎の管理馬で鞍上はデットーリ騎手です。戦績は10戦1勝ですが、前走2着の内容が良く、前売りで1番人気に支持されています。

首尾良く優勝を飾ることになれば、女王の愛馬タクティカルが制した20年の準重賞ウィンザーキャッスルS以来、3年ぶりの王室の勝利となります。

最後となった春のクラシックレースでも英2000ギニー(シャルディーン)や英オークス(ソウルシスター)を制し、絶好調をアピールするデットーリ騎手には、有力厩舎から騎乗依頼が殺到。初日はサーガを含め6鞍に騎乗し、このうち3鞍は1番人気、残る3鞍も3番人気で出走する予定になっています。

英国ブックメーカーのコーラル社による開催最多勝騎手を当てる賭けでは4・5倍の2番人気。最後の“ロイヤルアスコット”のライバルは、デットーリ騎手と同様に多くの人気馬にまたがり、1・5倍で最多勝候補の本命となるR・ムーア騎手です。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)