今週の中京メイン、CBC賞(G3、芝1200メートル、7月2日)でデビュー2年目の角田大河騎手(20=石橋)がエイシンスポッター(牡4、吉村)に騎乗する。未勝利戦から手綱を取り、コンビ2度目の重賞挑戦。見据える秋の大一番へ、まずは初タイトル奪取だ。

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今週から夏競馬が開幕するが、すでに秋へ向けた戦いは始まっている。2年目の角田河騎手は、未勝利戦からコンビを組むエイシンスポッターと見据える秋のG1スプリンターズSへ、試金石となる一戦に挑む。

昨年5月から今回で10戦連続の手綱になる。昨年末にオープン入りし、2走前のオーシャンSは3着。今回の1週前追いでは感触を確認し「乗るごとに良くなって、オーシャンSの時よりも数段パワーアップしている。すごくいい状態で臨めると思います」と手応えをつかんでいる。

3月の毎日杯で重賞初制覇(シーズンリッチ)。スマホの不適切使用による騎乗停止期間もあったが、自分を見つめ直し、宝塚記念では2度目のG1騎乗(モズベッロで14着)も果たした。「いい経験をさせていただいたし、こういう経験を1つ1つ大事にしていきたい。でも、乗るからには勝ちたいですよね」と、向上心は高い。2年目の今年はここまでJRA21勝をマーク。昨年の年間36勝を上回るペースで勝ち星を積み重ねる。

「以前は減量を生かすために、前へ行って粘るというワンパターンなところがあった。でも、たくさん乗せてもらう中でエイシンスポッターなど減量ではどうこうできない馬との出会いがあった。そこで競馬の展開や乗り方を工夫できる環境にいることができていると思います」と、周囲のサポートにも感謝する。

「開幕週で難しいところはありますが、やることは変わらない。この子のポテンシャルを信じて、頑張っていきたいと思います」。人馬ともに、実りの秋へつながる走りに期待だ。【奥田隼人】

◆角田大河(つのだ・たいが)2003年(平15)5月21日、滋賀県生まれ。22年3月に栗東・石橋厩舎所属でデビュー。初騎乗から2戦連続で勝利を挙げた。父は騎手時代にJRA・GI・10勝の角田晃一調教師。目標は武豊騎手。座右の銘は「不撓(ふとう)不屈」。趣味は音楽鑑賞、特技はマラソン。好きな芸能人は、お笑いトリオのジャングルポケット。