ダービー3着の半兄と同じスタートから栄光の道を歩む。ソウルアンドジャズ(牡、武井、父ブリックスアンドモルタル)が、23日日曜中京の新馬戦(芝2000メートル)で松山騎手と初陣を迎える。半兄ハーツコンチェルトは同舞台、同騎手で衝撃のデビュー勝ちを飾っており、期待は高まる一方だ。

ナスノシベリウスの子が2世代連続の飛躍へ。ダービー3着ハーツコンチェルトの半弟、ソウルアンドジャズがベールを脱ぐ。武井師は「仕上がりはいいですよ。折り合いも大丈夫なのでこの舞台から使います」と、半兄と同舞台からのデビューに期待を込める。

既に半兄以上の素質を感じさせている。12日美浦ウッドの1週前追い切り。馬場の内々を通ったとはいえ、全体時計は6ハロンで80秒5を計時。ハーツコンチェルトのデビュー1週前追い切りは、同舞台で81秒7。タイムにして1秒2上回った。師は「十分な数字が出ていますね。2歳でこれだけ走れれば十分でしょう」とうなずく。状態は言うことがない。

馬体の成長も十分だ。父ブリックスアンドモルタルは米国芝G1で5勝の実績馬。それでも「子どもはセリで見るとダート馬だなと。この子も初めはそうだった」と米国色が濃い印象だった。しかし、今年の冬に体が成長。「背が伸びてシュッとした。芝でもいけるなと。はじける感じになってきました」。将来的にはマイルでの活躍が想像できるという。

兄とは違った良さがある。ハーツクライ産駒の半兄には長く脚を使う長所があった。「こっちはビュッと脚を使います。きょうだいの中ではゲートを出るのが遅かったけど、一番学習能力がある」と、伸びしろたっぷりだ。武井厩舎は2歳世代が好調。シュトラウス(牡)が東京の新馬戦で1番星に輝くと、スカイキャンバス(牝)が世代最初の重賞・函館2歳Sで3着に入った。きょうだいや僚馬が作った流れに乗り、世代の主役へと名乗り出る。【阿部泰斉】

◆ハーツコンチェルトの新馬戦 昨年9月の中京芝2000メートルで松山騎手を背にデビュー。11頭立て1番人気、単勝オッズ1・9倍の支持を受けた。好スタートから道中は8番手を追走。向正面で進出を開始すると、4角3番手で直線へ。豪快な末脚で差し切り、2着馬に8馬身差をつけた。上がり3ハロン33秒9は、次点の馬を1秒6も上回る圧倒的な爆発力だった。