北の大地で才能開花! ディープインパクト産駒の素質馬プログノーシス(牡5、中内田)が重賞2勝目を手にした。

強豪が集った夏競馬唯一のG2で4馬身差の圧勝劇。川田将雅騎手(37)とのコンビでは6戦6勝となった。今後はさらなる大舞台を目指し、天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、10月29日=東京)などを意識したローテが組まれることになりそうだ。

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ついに覚醒を遂げた。ディープインパクト産駒の大物プログノーシスが、スーパーG2の豪華メンバーを力でねじ伏せた。2着馬に4馬身差をつける圧勝劇。川田騎手はゴール通過後、愛馬の首筋をポンとたたいてねぎらった。

好騎乗が光った。有利ではない外枠から、1角付近でスッと内に進路を取る。向正面の後半から徐々に外へ切り替えながら、ポジションを押し上げて直線へ。最後は馬場の真ん中を突き抜けた。担当の清山助手は「馬場は悪かったですが、向正面までは内が生きているという川田騎手の話でした。完璧で素晴らしい騎乗でした」と笑顔。この勝利で同騎手が乗ると6戦6勝。“不敗神話”は北の大地でも継続された。

最終追い前日の15日、普段からまたがる清山助手には「少し休み明け感があって…。その点がどうかですね」と慎重な様子もうかがえた。若干の不安も抱えながらレースへ。川田騎手も「正直、返し馬の感触がそんなに良くなかったので、この馬自身、どういう走りができるのかに重きを置いて乗ってきました」と万全の仕上がりではなかった。そんな中での圧勝劇。ジャックドールもシャフリヤールも置き去りにした。

川田騎手 ポテンシャルは非常に高いんですが、それを発揮するのがとても難しい馬。今日も簡単ではない形でしたけれど、重賞をまた取ってくれましたので、胸を張っていい内容だったと言えると思います。

残すはG1制覇だ。同馬を生産した社台ファームの吉田照哉代表は「これで大きなところを意識できる。大事に使われて、これで強いのが分かった」と能力を再確認。今後は天皇賞・秋などを意識したローテが組まれることになりそうだ。中距離路線の主役として、まずは日本の頂点を目指す。【藤本真育】

◆プログノーシス ▽父 ディープインパクト▽母 ヴェルダ(オブザーヴアトリ)▽牡5▽馬主 (有)社台レースホース▽調教師 中内田充正(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 10戦6勝(うち海外1戦0勝)▽総収得賞金 3億469万1300円(同9302万300円)▽主な勝ち鞍 23年金鯱賞(G2)▽馬名の由来 予知(ギリシャ語)