西海岸のサンタアニタパーク競馬場で現地時間3、4日の2日間にわたって開催される米国競馬の祭典「ブリーダーズカップ」(以下BC)。

2歳牡馬王者を決めるBCジュベナイル(G1、ダート1700メートル)には森秀行厩舎のエコロネオ(牡、父バーナーディニ)が川田将雅騎手で参戦します。

2歳馬のBC挑戦は森厩舎の専売特許でこれが3頭目。19年フルフラットは武豊騎手で5着、21年ジャスパーグレイトは福永祐一騎手で10着でした。3頭はすべて米国産馬で共通しており、フルフラットはこの挑戦をステップに翌年、サウジアラビアのサンバサウジダービーカップに優勝、ジャスパーグレイトは3勝クラスで活躍しています。

豊作年がうわさされる今年の米国勢に挑むエコロネオは今年3月にフロリダで行われたオカラ・トレーニングセールで30万ドル(約4350万円)で落札され、別の馬のデビュー予定だった8月新潟の新馬戦で取り違えが発覚する珍事のあった馬。仕切り直しの9月新潟の新馬戦(芝2000メートル)12着から臨んだ阪神ダート1200メートル戦でめったに見られない強烈な追い込みで、勝ち馬に半馬身差の2着になりました。

キャリア2戦の未勝利馬とあって、現地では11頭立てのどん尻人気ですが、あの鬼脚を知っていると見せ場以上を期待したくなります。

人気を集めるのはいずれも前走で競走に優勝して“ビッグ4”と呼ばれるプリンスオブモナコ(牡、父スペイツタウン、3戦全勝)、ロックト(牡、父ガンランナー、3戦2勝)、ティンバーレイク(牡、父イントゥミスチーフ、4戦2勝)、それにエコロネオと同じセールで最高価格の200万ドル(約2億9000万円)で落札されたムース(牡、父グッドマジック、3戦2勝)の強力カルテット。勝ち馬が来年のG1ケンタッキーダービーの本命馬になります。(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)