【アーケーディア(米国)4日=藤本真育】デルマソトガケ(牡3、音無)が、ダート世界最高峰の米国の祭典で、1馬身差の2着に入った。BCクラシックでは日本調教馬初の連対を記録。クリストフ・ルメール騎手(44)を背に、世界の強豪相手に大健闘した。今後は来年2月24日のサウジC(G1、ダート1800メートル)から、ドバイワールドC(G1、ダート2000メートル)に向かうプランが最有力候補となる。米国のホワイトアバリオ(牡4、R・ダトローJr)が好位から抜け出し、G1・3勝目を飾った。

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熱気と歓声が渦巻いた。最後の直線。サンタアニターパークのボルテージが一気に上がる。デルマソトガケがきた! 外め4番手から力強く脚を伸ばしたが、勝ち馬ホワイトアバリオには1馬身届かずの2着。ルメール騎手は「フーッ」と大きく息を吐き、「頑張ったけど…」と悔しそうな表情を浮かべた。日本馬初のBCクラシック制覇こそならなかったが、最後まで多くのファンに夢を届けた。

完璧な騎乗だった。「行く馬を行かせて番手で競馬をする」という作戦。ペースが速く、4番手になったが先行勢に食らいつく。最後は頂上決戦にふさわしい力勝負。「直線はスタミナを生かして勝ち馬に迫ってくれたけど、勝ち馬の方がちょっとシャープでしたね」。わずかに届かなかったが、世界のホースマンに高い能力を印象づけた。

半年ぶりのぶっつけ本番。前哨戦に予定していた日本テレビ盃は態勢が整わずに回避していた。「本番に向けて1回は使っておきたかった」と音無師。誤算はあったが、鞍上はソトガケを信じ抜いた。「この馬の能力は間違いないね。アメリカの馬は強いけど、やれていい」。築き上げてきた人馬の絆は、この大舞台でも揺るがなかった。

まだまだ将来が明るい3歳馬だ。今後は来年2月24日のサウジC(G1、ダート1800メートル)を目標に設定される予定。その後は、ドバイワールドC(G1、ダート2000メートル)に転戦するプランが最有力候補となる。「欲を言えばキリがないんだけど、賞金加算できたし、今後が楽しみです」と師。ソトガケの世界行脚は続いていく。

◆日本調教馬のBCクラシック参戦 過去5頭で最高着順は97年タイキブリザードと04年パーソナルラッシュの6着。