昨年の覇者で断然の1番人気に推されたスピーディキックが直線で抜け出し、連覇で重賞9勝目を挙げた。勝ちタイムは1分43秒6。同馬で連覇の藤原智行調教師(47)はこのレース2勝目、同じく御神本訓史騎手(42)は4勝目となった。

道中は後方から。3角で外に出すと、4角の出口でさらに外に振られる不利。それでも直線で抜群の瞬発力を見せ、あっという間に突き抜けた。「なにせ頭数が多いので進路を探しながら。不利を受けながらも最後はしっかりした末脚を使ってくれた」と鞍上。最後はラブラブパイロに首差まで迫られたが、南関東の牝馬限定で貫禄を見せた。

藤原師は「今年はチャレンジの年。でもダートグレードではいい結果を残せなかった。当初は使う予定はなかったけど、オーナーとスピーディのために1つ勝ちたくて」と連覇を達成。レースで外傷を負ったとのことで今後は様子を見ながらだが、「やっぱり1マイルですね」。来年はマイル路線で牡馬にも挑んでいきたいと話した。【牛山基康】

◆スピーディキック ▽父 タイセイレジェンド▽母 デザートフラワー(サイレントディール)▽牝4▽馬主 加藤鈴幸▽調教師 藤原智行(浦和)▽生産者 熊谷武(北海道浦河町)▽戦績 20戦10勝(うち中央1戦0勝)▽総収得賞金 1億8675万6000円(うち中央0円)▽主な勝ち鞍 21年リリーC(H3)、エーデルワイス賞(Jpn3)、東京2歳優駿牝馬(S1)、22年桜花賞(S1)、東京プリンセス賞(S1)、戸塚記念(S1)、ロジータ記念(S1)、東京シンデレラマイル(S3)▽馬名の由来 敏速+蹴り