今年も金杯から1年が始まる。東の最初の重賞、日刊スポーツ賞中山金杯(G3、芝2000メートル、6日)の追い切りが3日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」は美浦の東京本紙担当・松田直樹記者が重賞初Vを狙うエピファニー(牡5、宮田)を推し、若手の阿部泰斉(たいせい)記者は初めて古馬に挑むフローラSの勝ち馬ゴールデンハインド(牝4、武市)を評価した。お年玉をゲットするのはどっち!?

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松田 2024年が始まったな。令和も6年目に突入だ。

阿部 いろいろなことが起こった年始でしたね。

松田 改めて、日々を大切に過ごさないといけないと感じたな。

阿部 本当ですね。JRAの開催も土曜日から始まります。東の1発目の重賞は日刊スポーツ賞の中山金杯ですから、本紙の責任は重大ですよ。

松田 ビシッと当てるに決まってるだろ。俺はエピファニーが良く見えた。

阿部 美浦ウッドを単走、末強めで5ハロン65秒7-11秒5。上々の動きでした。

松田 昨年12月28日にも直前強めに追って、5ハロン64秒3-11秒5の好時計を出してるんだ。宮田師は「1週前に強い負荷をかけたことで、右肩上がりに調子が良くなっていますよ」とうなずいた。馬体も12キロ増だった前走から絞れているようで、前回をたたいた効果が見られる。時計はもちろんなんだけど、課題克服のための稽古を消化しているところもポイントなんだ。

阿部 課題ですか。

松田 この馬はレースでも調教でも力んでしまうことが多かった。その弱点をなくすために、この中間は追い切り以外でもウッドで長めの距離の運動を増やしているんだ。

阿部 本番に近い状況を意図的に作っているということですね。

松田 確かに最終追い切りも4角までは頭が高くなることがあった。でも、直線ではそれまでの操作性がうそのように折り合い良く伸びた。工夫が実を結んでいるよ。これは本番でも楽しみだと思う。

阿部 ゴールデンハインドといい勝負になりそうですね。

松田 美浦ウッドを併せ馬で81秒8-11秒7か。結構、負荷をかけたんじゃないか。

阿部 直線最後に促しただけです。昨年12月27日の美浦ウッド1週前追い切りも、流した程度でしまいは11秒4。2週連続で騎乗した菅原明騎手は「調子が良さそうです。今回も最後に反応を確かめる程度で、この時計ですからね。仕上がりはいいのではないでしょうか」と説明した。

松田 昨年5月の樫11着以来の実戦は大丈夫?

阿部 左前肢に骨りゅう(こぶ状の隆起)があって大事を取った結果です。秋も使えない状況ではなかったのですが、無理をさせませんでした。その判断が良かったのでしょう。鞍上は「休んだ分が成長につながっているんだと思います。久々でも重苦しさは感じません」と好感触でした。後はブランクが実戦に影響しないことを祈るのみです。

松田 何だかこの2頭で決まりそうだな。

阿部 本紙からのお年玉、期待してますから。

松田 ……。