海外G1・2勝を挙げたパンサラッサ(牡7、矢作)の引退式が8日、中山競馬場で行われた。当初は有馬記念前日の昨年12月23日に実施予定だったが、同馬の体調面からこの日に延期されていた。最終レース後のウイナーズサークルには多くのファンが集まり、その姿を目に焼き付けた。今後は北海道新ひだか町のアロースタッドで種牡馬になる。

同馬を管理した矢作芳人調教師(62)は式の最後にあいさつを行った。

以下、あいさつ全文

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まずはじめにこの度の能登半島地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げるとともに、被災地の1日も早い復興、復旧を願ってやみません。

またこの寒い中遅くまで残ってくれたファンの方、ありがとう!

そしてこのような盛大な引退式を挙行してくださったJRA、その他関係者の皆様、本当に感謝しております。ありがとうございます。

リスグラシュー、コントレイル、ラヴズオンリーユー、そしてこのパンサラッサで引退式は4頭目になります。本当に馬にも人にも恵まれた調教師だなと実感しております。

パンサラッサは他の3頭より国内での実績は少し劣るかもしれませんが、本当に記憶に残る、心に刻まれる走りをしてくれた馬だなと思っています。

去年の今ごろパンサラッサのサウジC挑戦を決めた時にいろんな雑音が外野から聞こえてきました。無謀だとか、ダートなのに何を考えているのかだとかいろいろ言われました。マルシュロレーヌの時も言われましたけどそれよりひどかった。しかしその自分の考えを強烈に後押しくれたオーナーの広尾さん、本当に感謝しています。そしてその難しいミッションを見事に成し遂げてくれたパンサラッサ、吉田豊、そしてうちのスタッフ、本当に心から感謝しています。

大谷翔平くんがプロ野球でもメジャーでも二刀流をすると言った時、多くの人が反対しました。多くの批判を受けました。でも彼は成し遂げた。矢作厩舎もパンサラッサの走りを胸に、これからも挑戦し続けます。応援よろしくお願いします。