ラストスパートに注目です!

火曜朝の美浦トレセンは、馬場開門の午前7時時点で気温5度。完全防寒で記者寮を出ましたが、比較的過ごしやすい午前中でした。

朝一番に馬場入りする馬をざっと見届け調教スタンドを降りると、2月いっぱいで定年引退を迎える中野栄治調教師(70)の姿が。今年で31歳の記者は師のジョッキー時代をリアルタイムで見た記憶はありませんが、名前を見ればすぐに「ナカノコール」と思い浮かぶ“レジェンド”の1人です。

今年はのべ25頭が出走し3勝、勝率12・0%、連対率32・0%と絶好調。2週前にブローザホーンで日経新春杯を制し5年ぶりのJRA重賞制覇を果たすと、先週日曜の中山では管理馬3頭が1、3、1着。勢いに乗っています。

今週は日曜京都メインのシルクロードS(G3、芝1200メートル、28日)にカイザーメランジェ(牡9)を出走予定。「もう歳だから大きくは変わらないよ。現状維持だね」と切り出しましたが、2走前に不良馬場の新潟直線芝1000メートル戦を勝利した印象から「先週の雨で荒れた京都の馬場はプラスですか?」と質問すると、トーンが上がりました。「(走破時計で)どうしても1分8秒を切れないから、時計のかかる馬場はいいね。雪でも降ればいいんだけど(笑い)」。

今週の京都競馬場周辺の天気予報に傘や雪マークは見られず、天の恵みは得られなさそうですが、寒さから馬場の回復が遅れればチャンスは十分にありそうです。

侮れない師の勢いに、集まった報道陣に「みんな仕事が終わったら飲みに行かない?」と終始陽気に振る舞う姿も相まって、明日の追い切りの動き次第で印を回そうか熟考中です。【桑原幹久】