昨年のG1ブリーダーズCジュベナイルを6馬身1/4差で圧勝し、先週発表されたエクリプス賞の最優秀2歳牡馬に輝いたフィアースネス(牡3、父シティオブライト)が、2月3日(土曜)にフロリダ州ガルフストリームパーク競馬場で行われるG3ホーリーブルS(ダート1700メートル)で3歳の初陣を迎えます。

今月21日に締め切られた第3回目のケンタッキーダービー・フューチャーワジャー(ダービー前売り)でも単勝9・32倍の2番人気(1番人気はその他の馬の3・44倍)のフィアースネスは、ここまで3戦2勝。昨年、これと同様に3冠直前まで本命馬の座にあったフォルテと同じT・プレッチャー厩舎の管理馬です。

2歳時に5戦目でブリーダーズCジュベナイルを制して、衆目一致の3冠候補だったフォルテは年が明けた3月のG2ファウンテンオブユースSと4月のG1フロリダダービーを連勝して、大一番のG1ケンタッキーダービーに1番人気で臨みましたが、直前に脚を打撲するアクシデントで出走取り消し。その後、3冠最後のG1ベルモントSには間に合ったものの2着に惜敗し、無冠のままで現役生活を終えました。

米国ではジャスティファイが3冠馬となった2018年の後は、昨年まで5シーズン連続して3冠それぞれが勝ち馬を代えていて2冠に届いた馬もなし。実力と人気を兼ね備えたスターホース不在の時代が続いています。

フィアースネスとともにエクリプス賞最優秀調教師賞を受賞したビル・モット調教師は昨年の轍(てつ)は踏まず、と今度は意識的に間隔を空けたローテーションを組み立てているようです。

ホーリーブルSは後にケンタッキーダービー馬となるゴーフォージンやバーバロがステップとしたレース。今年は8頭立てながらデビューから2連勝で向かうオテロ(牡3、父カーリン)など強敵がそろい、2歳王者といえども油断のならない一戦。早くも3冠に向けての注目レースが見られそうです。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)