来月から調教師へ転身する秋山真一郎騎手(45)が25日、小倉競馬場で引退式を行った。現役最後の騎乗となった小倉11R下関S(3勝クラス、芝1200メートル)ではダンツイノーバ(牝7、谷)に騎乗して12着。97年3月のデビューから丸27年間にわたるキャリアを終えてステッキを置いた。

引退式では元騎手の父忠一さんや同期の勝浦騎手らから花束を贈呈された。「泣きます」と宣言していたが、最後まで涙を見せず、ひょうひょうとした顔で自分らしさを貫いた。

「やっぱりジョッキーはいいなと思いました。これだけたくさん乗せていただけるなら、まだまだやりたいですね」

難関の調教師試験に初受験で合格を果たしており、来月1日付で調教師となる。「穏やかな馬をつくって、ジョッキーのみなさんに『乗りやすい』と言ってもらえるように。来年開業してまた競馬場に戻ってきた時は、秋山厩舎の馬を応援してください」とファンへ呼びかけていた。

◆秋山真一郎(あきやま・しんいちろう)1979年(昭54)2月9日、滋賀県生まれ。97年3月に野村彰彦厩舎所属でデビュー。翌98年に神戸新聞杯(カネトシガバナー)でJRA重賞初制覇。12年にカレンブラックヒルでNHKマイルCを制して同G1初勝利。18年にJRA全10場重賞制覇を達成。JRA通算1059勝、同重賞38勝、同G1・2勝。167センチ、50キロ。