JRAの藤岡康太騎手が10日午後7時49分に死去した。JRAが11日、発表した。35歳だった。

6日阪神7Rで、騎乗馬が3コーナーで前の馬に触れてつまずき落馬。立ち上がることができずに救護車で運ばれて「頭部、胸部の負傷」と発表された。10日朝には兄の佑介騎手が「まだ意識が戻っていない状態です」と状況を明かし、多くのファンや関係者から容体を心配する声がSNS等で寄せられていた。

藤岡康騎手は、父健一氏がJRA調教師、兄佑介もJRA騎手という競馬一家で育った。04年に競馬学校に入学。同期には浜中、丸田騎手らがいる。07年に栗東の宮徹厩舎所属でデビュー。初陣となった3月3日中京1Rで、1番人気のヤマニンプロローグで初騎乗初勝利を飾った。

09年3月、ジョーカプチーノでファルコンSを制して重賞初制覇。同年5月NHKマイルCも同馬で勝ってG1初制覇を果たした。昨年のマイルCSでは代打騎乗のナミュールで14年ぶり2度目のG1制覇を達成。今年に入り、3月30日には、現役27人目となるJRA通算800勝を達成。4月6日時点でJRA通算803勝(重賞22勝、うちG1・2勝)を挙げていた。

端正なマスクで女性からの人気も高く、明るく誠実な人柄で関係者からの信頼も大きかった。4月7日は、父でもある健一調教師の管理馬エトヴプレで、G1桜花賞に騎乗予定だった。

◆藤岡康太(ふじおか・こうた)1988年(昭63)12月19日、滋賀県生まれ。父健一は調教師、兄佑介は騎手。07年3月3日中京1Rのヤマニンプロローグで初騎乗初勝利。09年3月、ジョーカプチーノでファルコンSを制して重賞初制覇。同年5月NHKマイルCも同馬で勝ってG1初制覇。JRA通算803勝(重賞22勝、うちG1・2勝)。169センチ、50キロ。