日刊スポーツ賞中山金杯(G3、芝2000メートル、5日)は1966年から「日刊スポーツ賞」として行われている。前年までは成績や配当のみの掲載だったが、日刊スポーツ賞となった初年度の66年、レースが行われた翌日(4日)付の日刊スポーツの紙面では大きく記事と写真が掲載され、当時、自民党幹事長だった田中角栄氏が観戦記(伝聞式)を寄せている。以下は観戦記全文(※掲載時の原文まま)。
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私は昭和三十七年の六月から、昨年まで、昭和三十八年のメイズイの「ダービー」を一度みただけで、すっかり競馬場にはごぶさたしてしまったが、久しぶりにきてみて実にすがすがしい、いい気持ちなんでじゅうぶんに楽しんだ。
昨年はそんなわけで競馬は“そとから”しか見ていなかったが、一流騎手の不正事件、伝貧さわぎと、競馬にとっては多難なとしだったが、国際情勢もそうだったがなにか“魔がさした”のだと思う。ああいうことはこれからあってはならないし、今後はないと信じている。
ことし私が考えていることはいろいろあるが、まず競馬の大衆化ということで、そのためにはテレビの実況中継を毎開催日にやるべきだと思う。そうすることによって家庭のなかから新しいファンが誕生するのではないかとも思うし、競馬のよき理解者がひとりでも多くでると考えている。
また競馬場からギャンブル色を一掃して、楽しいレクリエーションの場としての競馬場とすることも重要なことだ。
またよくいわれる馬券控除率の問題だが、私も日本のそれは高過ぎると思っている。私個人としては10パーセントまでさげるべきだと思っている。競馬からの収益は、ファンになんらかのかたちで還元するべきだと思う。
きょうはことしの重賞レース第一弾「日刊スポーツ賞金盃」を見たが、久しぶりのためでもあったし、実におもしろかった。やはり前にもいったようにいいウマが力いっぱいのレースをする重賞競走というのはファンにこの上ない贈りものとなるわけできょうのようなレースをどしどしやってほしいと思う(田中角栄・自民党幹事長=談)

