大富豪による戯れか-。先週に春の連続開催を終えた東京競馬では、日曜に謎の大口投票が2週連続で発生した。

まずは15日の午前9時半頃、1~10Rに出走する人気薄10頭の単勝に、約100万円ずつが次々と投じられた。「JRA-VAN」の時系列オッズで詳細を確認すると、いずれも投票時点での人気は最低もしくはブービーで、勝つ見込みは薄いはずの馬ばかり。案の定というべきか異常投票があった馬はすべて敗れ、馬券に絡むことすらなかった。そして、異常投票が確認できなかったメインの11Rでは、午前9時半頃の時点ではブービー人気、最終的には最低人気で単勝207・2倍のカリボールが勝つというオチまでついた。

謎めいた異常投票は翌週22日にも発生。午前9時15分前後、1~10Rの人気薄10頭の単勝に、再び約100万円がドッカンドッカンと投じられた。この日も大量買いが入った馬たちは枕を並べて敗れ続けるかと思いきや、5Rでサノノグレーターが大激走。豪快な末脚を繰り出し、見事1着でゴールを駆け抜けた。最終単勝オッズは23・3倍で、大口購入者の払戻額は2000万円を超えたとみられる。

その後は10Rで最終オッズ30・1倍のユキマルが小差3着に健闘したが、そのほかの馬は着外ばかり。それでも2週分の“爆買い”の収支はプラスで終えたと推測できる。

投票のタイミングや金額から、一連の大口購入は同一人物によるものとみられる。不思議なのは、購入時点で最低人気かブービー人気に約100万円が投じられ続けていたなかで、的中したサノノグレーターに限って購入時点で16頭立て11番人気だったこと。大口買いが入る直前のオッズは48・6倍だった。ちょっとした気まぐれだったのかどうかは不明だが、このレースだけは例外的なスタンスで臨んだことが、大的中につながったといえそうだ。

実はこの“ミステリーオッズ”は以前にも発生していたことが判明した。京都で天皇賞・春が行われた5月4日、東京6Rからメインの11RプリンシパルSまで約100万円の大口投票が発生。さらには新潟メイン11Rでも類似の爆買いが確認できた。この日は購入のタイミングにばらつきがあり、東京と新潟のメインレースは午前9時半前後、東京9、10Rは午前10時25分前後、東京6~8Rは午後0時10分前後に、最低人気馬かブービー人気馬への大口投票が確認できた。なお午前8時ごろには、天皇賞で有力馬の1頭だったサンライズアースに約120万円が投じられているが、これは別人物による“ガチ投票”と推理するのが正解かもしれない。

それにしても、誰がなんのために人気薄の爆買いを行っているのか。匿名でも構わないので、可能なら当事者にぜひインタビューしてみたい(連絡お待ちしています!)。

開催替わりの今週。府中を中心に発生していた一連のミステリーオッズは、本格的な夏競馬の訪れとともに蜃気楼(しんきろう)となって消えるのか。それともローカル開催場で再び競馬ファンを困惑させるのか。できれば謎の続きを見てみたい。【奥岡幹浩】

<5月4日に約100万円の大口投票が入った馬一覧>

東京6R ミツカネリブラ 7着

東京7R ゴールドモーション 8着

東京8R ホークマン 9着

東京9R ルーンファクター 11着

東京10R ブリッツファング 15着

東京11R カレンラップスター 3着

新潟11R ビリーヴインミー 11着

<6月15日午前9時半頃に100万円の大口投票が入った馬一覧>

東京1R 1番 キャラメリー 14着

東京2R 11番 ヒロノビックバン 8着

東京3R 4番 フォルテッシモダイ 12着

東京4R 14番 ロジディーズ 16着

東京5R 10番 ヘイマー 7着

東京6R 9番 コーリンカルベラ 13着

東京7R 12番 オウケンヴィーナス 12着

東京8R 16番 ファーレンジョー 14着

東京9R 8番 コスモスプモーニ 10着

東京10R 11番 メイテソーロ 4着

<6月22日午前9時15分前後に約100万円の大口投票が入った馬一覧>

東京1R 12番 サトノグレイト 9着

東京2R 1番 ネバーランドリーム 13着

東京3R 9番 ロジピエルフ 13着

東京4R 13番 ウーバーストロング 6着

東京5R 7番 サノノグレーター 1着

東京6R 1番 アングレット 競走中止

東京7R 5番 セリオーソ 10着

東京8R 7番 ラインアルテミス 13着

東京9R 5番 メラーキ 16着

東京10R 10番 ユキマル 3着