現場記者が旬の注目人馬を取り上げる「夏のイチオシ」。今週は舟元祐二記者が個人馬主の佐野信幸氏を取り上げる。「サノ」を冠名とし、「夢、希望、感動」がある競馬の世界を味わい尽くす。クラブ全盛の時代でも、個人馬主の魅力を伝えるオーナーは、24日の新潟2歳S(G3、芝1600メートル)に6月の東京で新馬勝ちしたサノノグレーター(牡、尾形、父グレーターロンドン)を出走させる。

   ◇   ◇   ◇   

クラブ馬主全盛の今日、自身の名字「サノ」を冠名として愛馬に託し、競馬を盛り上げる佐野信幸氏が個人馬主としての楽しさを語った。

「冠名? もちろん冥利(みょうり)に尽きます。おかげで私には全国の佐野さんがついている。これまで出走してきて、同じ名字の方からメッセージをいただいたこともある。何より夢、希望、感動が大事。競馬の世界にはそれがいっぱいある」と熱の入った言葉をつなぐ。16年フェブラリーSのサノイチでG1の舞台を初経験。先日10日のレパードSでは9番人気サノノワンダーが5着と健闘した。刻々とその冠名は全国に浸透している。「中央以外でも地方でも馬がいるし、毎日が楽しい。人生の最後まで競馬を楽しみたい」と目を光らせる。

自身がとら年生まれということからデザインした、黒地に黄色十字襷、袖は黄色に黒一本輪。新潟2歳Sではサノノグレーターが出走を予定し、その勝負服が越後路を駆け抜ける。24年サマーセールで440万円(税抜き)で落札。6月22日の東京新馬戦では、他セールで同馬より5倍、10倍以上の高額馬をはねのけた。「すごい馬でしょ。これも競馬の楽しみの1つ」。そして出世レースとして名高い新潟2歳Sに駒を進めることについて「大きなことができる馬だと思っている。(富山県出身で)同じ北陸の新潟の重賞はもちろん気合が入ります」と意気込んでいる。

まだ見ぬ個人馬主の参加を願う。「こんなに深く楽しめる世界は他にありません。楽しいですよ。一緒に競馬を盛り上げる方が増えたらいいですね」。終始笑みを絶やさず、小麦色の肌が光るオーナー。新潟重賞で愛馬が好走すれば輝きはさらに増すことになるだろう。そして全国の佐野さんにも夢、希望、感動が生まれるはずだ。【舟元祐二】

★疲れ残さず

サノノグレーターはこの中間、新潟競馬場で調整されている。20日の最終追い切りはダートコースで3ハロン43秒6-13秒0と軽め。終始馬なりで、疲れを残さない調整を施し本番に臨む。益山助手は「オンとオフがはっきりしている馬です。1週前に騎手が乗ってしっかりやっています。当週は暑いため空調のある新潟へ。ダートでさらっとやって、十分だと思います。厩舎としても期待しています」と順調ぶりを伝えた。

★グレーター愛 半弟を落札

佐野オーナーのサノノグレーター愛は今週開催中(18~23日の6日間)のサマーセールで一目瞭然だ。2日目に上場された同馬の半弟(父キセキ)を750万円(税抜き)で落札。3日目に同じグレーターロンドン産駒の牡馬を2頭落札している。

◆佐野信幸(さの・のぶゆき)1月14日、富山県生まれ。仲の良い友人と金沢競馬を見に行ったのがきっかけで競馬の魅力にはまる。99年に地方競馬の馬主免許取得。13年に中央競馬の馬主免許を取得。現在は新潟馬主協会参与。