10月から放送開始のTBSドラマ、日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」は競馬を題材にしたストーリーだ。映像解禁では、ある一頭の馬が名だたる俳優陣と並び、センターで立っている。
ネット上で競馬ファンに特定されたのが、13年のG1・NHKマイルC勝ち馬マイネルホウオウだ。同馬は現役引退後、東京競馬場で誘導馬を務めている。G1馬の出演に驚いた人は多いだろう。
マイネルホウオウの競走馬時代に調教師として管理していた畠山吉宏調教師(63)は「周囲の人から教えてもらいました。すごいですよね」と喜んだ。
同馬の第一印象は「牧場から数頭の牡馬を見せてもらったのですが、その中で栗毛の馬がいました。体が大きくて見栄えが良かったんです」とひとめぼれ。この頃からひときわ目立っていた。テレビドラマに出演するのは、当時から必然だったのかもしれない。
マイネルホウオウと言えば、NHKマイルCを勝利した際のジョッキーインタビューで、涙ながらに話した柴田大知騎手の姿を浮かべる人も多いだろう。10番人気での激走とともに、多くのファンの脳裏に刻まれている。
ケガにも悩まされた現役時代だった。屈腱炎や脚部不安などに見舞われ、その後は勝利をつかめなかった。「相手との戦いではなく、ケガとの戦いだったからね…。悔しいし、残念だった」と師は振り返る。
引退後は乗馬へ。JRAの方へオファーを出したところ、快諾してくれたと明かした。馬事公苑での訓練期間を終えると、G1を制した思い出の地、東京競馬場で誘導馬をすることが決まった。「JRAに感謝ですよね。当時の東京競馬場の場長が手配してくれた。競走馬のセカンドキャリアが難航する時代で、こうしてまた仕事して活躍しているのを見るのはうれしいし、本当にありがたいです」と感謝を述べた。
栄光、挫折、第2の馬生…。紆余(うよ)曲折を経て、なんとテレビドラマの出演にたどり着いた。栗毛の雄大な馬体は、作品の1つとして映えるに違いない。「ぜひ出演シーンを見たいですね」と師もくぎ付けになりそうだ。【深田雄智】

