イタリアン・ロイヤルファミリーだ! 3番人気ミュージアムマイル(牡3、高柳大)が鋭い末脚で差し切り、暮れのグランプリに輝いた。勝ち時計は2分31秒5。皐月賞に続くG1・2勝目で、飛躍の1年を締めくくった。

C・デムーロ騎手(33)は有馬記念初勝利で、兄のM・デムーロ騎手との兄弟制覇を達成。1年前、シャフリヤールで鼻差2着に敗れた雪辱も果たした。

   ◇   ◇   ◇

5万6409人が集うスタンドにC・デムーロ騎手が大きくほえた。じっくり脚をためていたミュージアムマイルが直線で勢いよく伸び、先に抜け出したコスモキュランダをゴール前でとらえた。過去にコンビで挑んだG1は昨年の朝日杯FS、今年の天皇賞・秋、ともに2着。待望のG1制覇に喜びが爆発した。

鞍上自身は昨年の有馬記念でもシャフリヤールで2着。わずか、鼻差だった。「家に帰ってからも胸が締めつけられて、ムカムカしていたので、それを晴らせて良かった」と雪辱に表情を明るくする。この秋はドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」を視聴。「ロイヤルファミリーを見て、有馬記念を勝ちたいと思っていた。夢がかなってうれしかった」と喜びは倍増した。

返し馬では少しエキサイトする面があり「すごく楽しそうな雰囲気だったし、2回ほど振り落とされそうになった」と振り返る。スタートも速くなかったが、ダノンデサイルをマークしながら後方で機を待った。「一番の強敵だと思っていたので後ろにいた。デサイルが進路を作ってくれると信じて、外に出した」とライバルを巧みに利用する作戦が功を奏した。

米国に遠征中の兄M・デムーロ騎手は10年ヴィクトワールピサで有馬記念を制しており、兄弟制覇にもなった。「ミルコとは13歳差なので物心ついた時からスーパースター。いつかジョッキーになったら、近づければいいなと思っていた。第二のお父さんみたいな感じ」。ミュージアムの父リオンディーズは、兄ミルコがG1勝利に導いた馬(15年朝日杯FS)。“ファミリー”の縁がつながった。

皐月賞、有馬記念と3歳にしてG1・2勝。ミュージアムマイルには果てしない伸びしろがある。C・デムーロ騎手の短期免許はこの日が年内最後。次に再会する時には…。大きな夢と期待が、来年に向けてふくらんでいく。【下村琴葉】

◆ミュージアムマイル ▽父 リオンディーズ▽母 ミュージアムヒル(ハーツクライ)▽牡3▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 高柳大輔(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 10戦5勝▽総獲得賞金 9億6179万9000円▽主な勝ち鞍 25年皐月賞(G1)、セントライト記念(G2)▽馬名の由来 ニューヨーク、マンハッタンの5番街にある通り