“奇跡”の大物だ。1戦1勝の素質馬アクセス(牡、上村)が夢を背負って東上する。18日中山の京成杯(G3、芝2000メートル)にエントリー。17年菊花賞馬キセキの初年度産駒で、躍進中の上村厩舎においてもクラシック候補として潜在能力を期待されている。

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冬の朝日に脚長の馬体が照り輝く。父の軌跡を追い、素質馬アクセスが登竜門に挑む。変則日程で重賞出走馬のみ馬場入りできた火曜朝は、人馬まばらな角馬場でじっくり体をほぐした。G1を2勝したベラジオオペラも手がけた月野木助手は「いい体になってきた。トモとかにめりはりがついてきた。能力はかなりあると思う。初戦も抜け出してから遊んでフラフラしていたので」と目を細める。

開業から躍進を続ける厩舎でも将来を嘱望されている。初戦では発馬で3馬身ほど遅れたが、3コーナーからまくり気味に進出。ダイナミックな伸びで3馬身差の圧勝をおさめた。上村師も「これなら、という競馬。ホープフルSも使おうと思えば使えたけど、詰めて使いたくなかったし、成長を待った。無事ならクラシックに行けると思う」と潜在能力を評価する。

面影を重ねずにはいられない。親子で同じ下河辺牧場に生まれ、石川達絵オーナーが所有する。さらに上村厩舎は、父キセキが所属した角居厩舎の建物を引き継いでいる。月野木助手は「岸本さん(角居厩舎出身の調教助手)は『乗った感じがキセキに似ている』と言っていた。お父さんも(乗り難しく)苦労したみたいなので、そのあたりも考えて丁寧に乗ってもらっている」と説明する。

父の初年度産駒はJRA登録31頭で、現在2勝にとどまっているが、遅咲きの戦績からして今後の飛躍を見込まれる。その旗手としての期待も大きい。トレーナーも「キセキの代表産駒に」と願う。クラシックへつながる“京成アクセス特急”。父親を超えるスピードで、大舞台への切符をつかむか。【太田尚樹】