北海道の真ん中に鎮座する大雪山系。高い山だからまとわりつく雲も多く、この周辺はスカッと晴れている印象がない。山系西麓にある富良野、美瑛には二度行ったのに、二度とも雨で写真撮影どころではなかった。東麓も雲が多い。タウシュベツ川橋梁跡は曇りだとむしろ雰囲気が出る。「幻の橋」は今年ももう少しで沈むと、11月7日に現地のツアーガイドさんから情報が入った。


アーチ崩壊が危ぶまれるタウシュベツ川橋梁跡
アーチ崩壊が危ぶまれるタウシュベツ川橋梁跡

 帯広から北へ2時間の糠平(ぬかびら)地区にあるタウシュベツ。糠平国道をさらに北上すると、旭川方面へ抜けられる。携帯電話の電波はしばらく途切れる。一瞬復活し、メールやLINEの通知がまとめて鳴るけれど、車を停めて対応しようとするとまた圏外だ。「ヒグマ出没多発地帯です!」の看板がある。車とはいえ怖い。森から小さい何かが出てきた。子グマか!?と怯んだところにキツネが現れた。路肩に停め、カメラを向ける。逃げずに、むしろ寄ってくる。エサはあげない。野生動物の生態系を崩してはいけない。


北海道では1日に1回はキタキツネを見る印象
北海道では1日に1回はキタキツネを見る印象

 急斜面に逆らうように、トドマツやエゾマツといった亜寒帯の針葉樹が無限のごとく立ち並ぶ。そんな道を糠平地区から20キロほど進むと、ようやく景色に変化が訪れる。山の中腹に道路が見える。この道の先は、あの橋。そう長くもない距離で、一気に標高を上げる。橋を通過するときは、心底怖かった。感覚的には「天空の橋」そのものだった。


糠平国道から見上げる松見大橋
糠平国道から見上げる松見大橋

 橋を2本越え、三国峠の駐車場に車を停め、先ほどの橋に歩いて戻る。北海道の景色はどこも素晴らしいとはいえ、緑深橋から眺める松見大橋と、その奥に広がるスケールはとりわけすごかった。


三国峠から眺める大雪山系の原生林
三国峠から眺める大雪山系の原生林

 私の写真の腕では伝えきれない、大・北海道。地図でみると写真向こうの山のふもとまで6キロ程度なのに、原生林はどこまでも広がっているように思える。ヒト1人としての自分の大きさが分からなくなる。この森に何十万本、何百万本の木が生えているのか。ヒグマやエゾジカ、キタキツネは何匹いるのか。そして、どれだけの水を湧出するのか。糠平を経て、川は十勝平野につながる。私たちのいただく北の大地の恵みの原点が、この広大な原生林にあるのかもしれないと気付いた。【金子B】


「三国峠」へ行くには?

 帯広市街地からも、旭川市街地からも、それぞれ車で2時間ほど。携帯電話の電波が圏外なだけあり、広い北海道でもかなり奥深い場所にあります。駐車は国道沿いの三国峠駐車場へ。橋の上に路上駐車するのは危険なのでやめましょう。


Wonderful View No.38 "Virgin forest of Hokkaido"

There is a very large virgin forest in the central part of Hokkaido. The conifers such as firs grow innumerably. The scenery from the bridge of the mountain pass lets us feel the grand scale of Hokkaido.

[DATA]

Address: Mitsumata, Kamishihoro-cho, Hokkaido

Access: About 2hours drive from central Asahikawa, and central Obihiro

Parking: For about 20 cars