阪神にとって3戦連続の雨天中止は非常に痛い。広島に連勝し、首位巨人を本拠開幕の甲子園に迎え撃つ舞台は整っていた。チームに勢いがつきかけていただけに気勢をそがれた形になった。

上向きかけているチームを逆流させないため、9日の巨人戦は負けられない一戦になった。開幕の同カードで3連敗を喫した阪神は、ここで巨人に1勝することで上昇気流に乗りたい。

そのためには大山の「4番」は外せないだろう。左ふくらはぎ痛のマルテの復調にもよるが、チームの得点力を上げるにはこの2人をうまく起用したい。ここはベンチのやりくりにかかってくる。

マルテの守備位置が「三塁」に限定されるなら、大山を「外野」で起用する手も考えられる。例えば勝ちパターンにはまったとみれば、マルテを下げ、大山を三塁に回し、高山らを起用する戦術もありだろう。

本来“梨田の考え”では、甲子園をホームにする阪神の「4番」は、日本人で右打者が適任だ。個人的に新外国人ボーアのバッティングの内容は、まだ信用ができない。低めの球にもろさを感じるからだ。

また、昨季のように投手力が安定しているわけでもない。例えば、3点差以内のゲームが3試合続いた場合の7、8、9回はどのように逃げ切るのか? など、確固たる勝ちパターンが見えていない。

これだけ続けざまにゲームが流れると、先発の登板日変更をはじめ、矢野監督も選手起用に苦慮するだろう。投打に不安要素を抱えているとはいえ、まだまだ巻き返すことはできる。とにかくカードの“頭”をとっていくことだ。(日刊スポーツ評論家)

打撃練習を行うボーア(撮影・加藤哉)
打撃練習を行うボーア(撮影・加藤哉)