上段左から本塁打26本の阪神大山、25本の巨人岡本、下段左から23本のヤクルト村上、24本の広島鈴木誠也(10月18日現在)
上段左から本塁打26本の阪神大山、25本の巨人岡本、下段左から23本のヤクルト村上、24本の広島鈴木誠也(10月18日現在)

セ・リーグ本塁打のタイトル争いが混沌(こんとん)としてきた。ヤクルト村上が甲子園で23号、マツダスタジアムでは広島鈴木誠が24号。巨人岡本の25号に1本差をつける大山は激しいタイトル争いの中心にいる。

大山は1回に右前2点打を放った後は、2つの空振り三振と四球だった。そう簡単に打たせてくれないだろうが、打撃内容は悪くないから十分にチャンスはある。どんどん振っていくスタイルを最後まで貫くのだろう。

大山のタイトル獲得には5番サンズの調子が微妙に影響してくる。相手投手は後ろに好調の外国人が控えると、その前の4番大山と勝負せざるを得なくなるからだ。逆に5番が不調の場合は執拗(しつよう)にボール球を配した攻めをされる。

ここのところの5番サンズの状態は芳しくない。10月は打率1割3分3厘、1本塁打にとどまっている(18日現在)。また三振が多くなっている。数字が示すように、始動が遅く、うまくタイミングがとれていない。

開幕前もサンズは始動が遅かったが、徐々に慣れてきていたはずだった。サンズが再び上昇してくれば、大山もホームランを打ちやすくなるはずだ。サンズには打撃練習で緩い球を打つなどして再び調子を取り戻してほしい。

また7回に代打で出場したルーキー井上の左飛はいい感じのフライアウトだった。まだまだ1軍レベルには遠いが、高卒1年目から打席に立っていること自体がいい経験になる。大きく育ってほしい。(日刊スポーツ評論家)

1回裏阪神1死二、三塁、大山は右前2点適時打を放つ(撮影・上山淳一)
1回裏阪神1死二、三塁、大山は右前2点適時打を放つ(撮影・上山淳一)