プロ入り3年目の巨人横川凱投手(20)が、今季2度目の先発も、3回2失点で降板した。本来であれば若い投手だし、先発させたのだからもう少し投げさせてもいいと思う。しかし、苦しい戦いが続く巨人に、そんな余裕はない。実際、この早めの継投が、チームの逆転勝ちに結び付いた。
ここでは今後の成長を見据え、横川のピッチングについて振り返ってみたい。一番の武器は190センチの長身から投げ下ろすスタイルで、上からの角度がつけられる。しかし、今試合でMAXは140キロ。ほとんど真っすぐは130キロ台で、明らかにスピード不足。制球力にしても逆球が多かったように、ストライクゾーンに投げられるが、コーナーを突いていけるような精度はなかった。
まだ発展途上の選手で、課題を上げればキリがない。ただ、気になるのが「どういう投手を目指しているか?」だろう。気になったのは、三塁側のプレートを踏んで投げていたこと。シュートが武器の選手ならまだいいが、変化球はカーブ、スライダー、カットといった“曲がり球”と、フォークなどの“落ちる球”のコンビネーションがメイン。それならば一塁側のプレートを踏んで横からの角度をつけ、右打者の内角、左打者の外角に投げる真っすぐ、クロスファイアを磨いた方が変化球を生かせる。
最近は右投手なら一塁側、左投手なら三塁側のプレートを踏んで投げる投手が多い。おそらく体の負担がかからないし、シュート回転する真っすぐが減るからだろう。しかし、シュート回転せずにクロスに決まる真っすぐは、投球の原点になる球。この球を磨くことが「勝てる投手」になるための一番手堅い道だと思っている。
同じ左サイドの大江、高梨、戸根を比べてほしい。大江と高梨は一塁側のプレートを踏み、戸根は三塁側を踏んで投げている。自分の投球を生かすための“術”を知り、左サイドからの角度を利用しているのが大江と高梨で、戸根は持ち味を生かせていない。この差がベンチの信頼度の差になっているのだと思う。
横川はまだ、伸びしろがたくさんある左腕。少しでも長く、プロの世界で生き抜いていくために何が必要なのか? しっかりと考えながら練習し、飛躍のきっかけをつかんでほしい。(日刊スポーツ評論家)




