阪神はDeNA戦を3連勝で締めてオールスターブレークを迎えることになった。

吉田 わたしが現場にいたときのペナントレースには交流戦がなかったから状況は違うが、最大「16」の借金をゼロにするのは考えられないことですわ。またどのチームにも言えるがコロナの影響で何が起きてもおかしくなかった。「球宴までに勝率5割に戻すことが必達の目標」と言い続けたから、よくやったと素直に評価したい。ガンケルが好投したように、5割に戻した原動力は投手力でしょう。

DeNA3連戦は、青柳、伊藤将、そして6回を投げきったガンケルとすべて先発ピッチャーに白星がついた。チームは交流戦後のリーグ戦再開から17勝11敗1分け。そのうち15勝が先発に勝ちがついている。

吉田 制球力がついたときのガンケルは、おそらくバックが守りやすいと感じているはずです。自分がショートを守っている感覚でガンケルの投球をみていると同じようにコントロールの良い西勇とはまた違った守りやすさがある。なにより無四球が示すように安定感があった。青柳が軸になって、伊藤将の7勝が大きい。岩崎がスアレスの穴をなんとか埋めている。まだ秋山が出てきていないが、先発の踏ん張りは最大の勝因。打つほうは近本、大山の2人が目立った。特に近本はもっとスタートを切っていい場面があったと思っています。

阪神はオールスター戦を挟んで29日からヤクルトとの3連戦で後半戦のスタートを切る。

吉田 初っぱなから大きなヤマだが、何が起きるかわからない。ヤクルトと優勝争いをするのは阪神しかないでしょう。まだ一波乱、二波乱ありますわ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対DeNA DeNAに勝利しスタンドにあいさつする矢野監督(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA DeNAに勝利しスタンドにあいさつする矢野監督(撮影・加藤哉)