記録ずくめの快勝だ! 阪神が2位広島を下し、6連勝で優勝マジックを「10」に減らした。貯金は今季最多の31で、2位とのゲーム差も最大の9ゲーム差まで広げた。

    ◇    ◇    ◇

首位を独走している阪神が、その強さを見せつけた試合だった。今試合の広島の先発は試合前まで阪神戦の防御率が0点台の床田だったが、天敵左腕を見事に攻略。5イニングで3得点を奪った内容は、シーズン終盤でレベルアップした「強さ」が詰まっていた。

先制パンチで成長した姿を見せたのは、ルーキーの森下だった。初回2死、ここで期待されるのはホームラン。カウント1-1からの低めのカーブをフルスイング。春先は甘い変化球を簡単に見逃していたが、狙い球を絞って仕留めた先制アーチ。床田は立ち上がりをやや苦手にしているが、その出はなをくじいてチームに勢いをつけた。

開幕から夏場にかけて、阪神打線は「3番不在」に苦しんでいた。森下は3番を任されることが多かったが、もろさがあった。プロの投手の変化球は、真っすぐを狙った状況で対応しようとしても手が出なかったのだろう。しかし経験を積んで狙い球を絞って打てるようになった。ヤマを張って打つだけに、まだ打率は物足りない。しかし4番・大山の前を打たせることで、相手投手はストライクゾーンで勝負する。思い切りのいい勝負強さと、持ち前の長打力を生かせるようになった。

8番を打つ木浪も、相手バッテリーにプレッシャーを与える選手になった。5回1死二塁、次打者は投手だった。1番に近本が控えていることを考えてくれば、床田は勝負をかけてくる。

初球は高めに浮いたツーシームがボールで、2球目は甘いスライダーを見逃してストライク。さらに低めの真っすぐをファウルした後、見逃せばボールになる高めの真っすぐにも手を出してファウルした。積極性を出しながらも直球系に狙い球を絞り、最後は低めツーシームを仕留めた。難しい高さで、失投ではなかった。

思い切りのいい森下を3番に起用し、試合展開を読んで仕事をこなせる木浪を8番に起用。得点差を見れば4-1の接戦だが、阪神の最大のストロングポイントは投手力。村上と強力なリリーフ陣の力量を考えれば、十分な得点差になる。優勝するチームは、ペナント終盤で自分たちの戦い方を確立させて強くなる。優勝に向かって首位を独走する阪神の強さを象徴するような試合だった。(日刊スポーツ評論家)