シーズンごとの過程を振り返ると、オリックスは毎年、毎年、違うチームが戦っていたのではと思わされる。最初の21年は久々の優勝でCSも勝ち上がり、日本シリーズは惜しいところまでいった。昨季は最終戦までもつれる大逆転で2連覇し、そのまま日本一を果たした。今季は途中、乗りきれない時期もあったが、終わってみれば大差の優勝だ。短期決戦はどうなるか分からないが、先発の枚数を考えると、今年もオリックスに分があると見る。
年々、チーム力を付けている。やはり、去年の大逆転Vの経験が、今年の大差での優勝につながったのだろう。強さの原動力は、まずはディフェンスにある。
何と言っても、12球団一、強力な先発陣がいる。山本を筆頭に、宮城、山崎福、山下、東と、ほぼ全員が貯金をつくったのは特筆すべき。中継ぎ、抑えも調子に応じてうまく配置した。首脳陣が状態を把握できているからこそだ。その投手陣を、捕手陣がしっかりリードした。伏見が抜けても、若月の成長が著しかった。優勝経験を重ねたことで一皮むけた。そこに森が加わり、バッテリー力が増した。ディフェンスが充実したことで、他のチームからすれば、もっともやっかいな相手になった。
攻撃面では、懸念された吉田の穴を感じさせなかった。頓宮が覚醒し、森は勝負強かった。ただ、それよりも大きかったのは個々の意識の高さだ。それぞれが試合におけるポイントを理解している。先頭で回ってくればどう出塁するか。先頭が出れば、後の打者は、どうつなぎ、どうかえすか。打席で考えてプレーしている。これも2連覇の経験が身に付いた成果と言っていい。「試合巧者」という言い方が当てはまる。
そういう集団になったのは、中嶋監督の手腕に尽きる。選手の状態を見極め起用するのが抜群にうまい。たとえば、8月終わりになってから2年目の池田を1軍に上げ、即1番で使い結果を出させた。選手の状態について、1軍、2軍の連絡が行き届いている証拠だ。
編成面も見逃せない。山本はドラフト4位と上位指名ではないし、7月以降に6連勝した東は育成出身。一方で、山下のように上位指名の選手も、しっかり出てくる。スカウティング戦略と現場の育成がかみ合っている。開幕前に3連覇を予想できたのも、2連覇の経験値の上に戦力の充実ぶりがあったからだ。(日刊スポーツ評論家)




