阪神がまさかのサヨナラ負けで今季ワーストの4連敗を喫した。1点リードの9回裏にハビー・ゲラ投手(28)が同点犠飛を献上。10回裏に漆原大晟投手(27)が2死走者なしから満塁とされ、最後は押し出し四球を許した。両チームのOBでもある日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)は、序盤から徹底してフルカウントを作り続けたロッテ打線の粘りを絶賛。「阪神打線も参考にできる」と指摘した。【聞き手=佐井陽介】

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痛恨のサヨナラ負けを喫した阪神ですが、打線にはようやく明るい兆しが差し込みました。今季初めてDH制を使用した一戦。6番DHでスタメン起用した前川選手が機能したことで打線の巡りが良くなり、キーマンの1番近本選手に好機で回す形が出来上がったのです。

この日はセ・リーグ試合で7番起用していた坂本選手を9番に置きました。下位打線の誰かが出塁して、9番で送って1番近本選手に回す。そんなイメージをチーム全体が共有できていた気がします。近本選手は2回2死一、三塁、6回2死二塁、10回2死二塁と、得点圏に走者を置いた場面で3度も登場しました。結果は2度の申告敬遠を含む3四球と勝負を避けられましたが、形を作れたのは大きな前進です。

プロ1号を放った前川選手も少々のボール球でも打ちにいく積極性を見せ、苦しむ打線を活性化しました。負けはしましたが、9戦ぶりの4得点以上を記録。このまま一気に底を脱したところです。

一方のロッテは序盤から打線全体に「意図」を感じました。変則右腕の青柳投手に対し、ソト選手や岡選手をスタメンから外した一戦。逆方向を意識しながら低めのシンカーを我慢して、球数を奪っていく。そんな姿勢を統一し、青柳投手を4回88球3失点で降板させました。奪四球数は1ながら、青柳投手と対戦した打者19人のうち6人がフルカウントまで持っていく粘っこさ。さすが10連勝中の打線です。

追い込まれても1球1球ファウルで粘り、四球からチャンスを1つでも多く作っていく。そんな繰り返しが2番小川選手の4打席連続奪四球となるサヨナラ押し出し四球を呼び込んだ形です。制球力の高い阪神投手陣から1試合で8四球を奪ったのだから、その粘り腰は大きな武器といえるでしょう。

昨季は奪四球も絡めた粘りを売りにした阪神打線。得点力不足の打開へ、この日のロッテ打線のスタイルを参考にする手もありそうです。(日刊スポーツ評論家)