巨人の新戦力で投打の注目選手といえば、投手では楽天から移籍した田中将で、野手では新外国人のキャベッジだろう。まだ3月に入ったばかりだが、それぞれの一投一打を注目した。

まずは先発して2イニング無失点の田中将だが、真っすぐは140キロ台中盤のスピードが出ていた。この時期のベテランにしては、十分なスピード表示だろう。何よりも体が元気だという証拠で、調整の順調さを物語っていた。

球質という点でも、まずまずだった。初回無死一塁、打席に長岡を迎え、カウント0-1になった。ここで捕手の甲斐が内角高めの真っすぐを要求した。結果は少し中に入って甘くなったが、詰まらせてサードフライ。ここまでの登板で田中将の真っすぐを受けてきた甲斐が「力勝負」を選択できるほどの手応えを感じ、その通り力でねじ伏せる投球ができたということ。

2死二塁、カウント1-1となって、村上には外角の真っすぐが高めに浮いた。それでもレフトフライ。日本NO・1の長距離砲に対し力で押し込んでいた。

不安点を挙げるとすれば、22球の球数のうち狙った所にビタッと決まったのは2~3球ぐらいだったこと。ただ、もともと制球力がいいタイプで、調整が進んでいけば問題ないだろう。未知数なのはスタミナだが、今季の巨人はストッパーとしてマルティネスが加入。昨年、優勝の原動力になったリリーフ陣の層も厚く、5~6イニングをしっかり抑えれば勝ち星もついてくると思う。

打つ方で注目したキャベッジは2打数2三振。結果は散々だが、前の試合で逆方向へ二塁打を打ったときのスイングの軌道はよかった。気になったのは第2打席で左腕・山本と対戦したときの内容だろう。カウント1-1から外角甘めの真っすぐを空振りし、最後はボールゾーンに逃げるスライダーを空振り三振した。まだまだ調整段階だが、やや左投手に対して不安があるように見えた。

残念だったのは、2打席で代わってしまったこと。阿部監督がどのくらい期待しているのか分からないし、この試合の交代は本人の希望があったのかもしれない。しかし、せめて3打席は立たせて慣れさせるべきだし、疲れがあるならDHで起用してもいい。開幕までに少しでも打席を経験させた方がいいと思う。

余談にはなるが、1点をリードされた6回裏1死一、三塁の場面で、一塁走者の代走に出た浦田がけん制で刺された。タイミングはセーフだが、一塁手の北村恵は投手の送球を受ける際、少しだけベースを隠すように右足を動かしていた。浦田もベースの左端に手を伸ばさなければいけないが、ベースの右寄りだったため、まんまとスパイクに阻まれてアウト。絶対にアウトになってはいけない場面で痛恨のミスだといっていい。

プロの世界は、こうしたささいなプレーにも厳しさがある。浦田には勉強になったのではないか。失敗を教訓に変えて頑張ってほしい。(日刊スポーツ評論家)

巨人対ヤクルト 2回を投げ2安打無失点に抑えた巨人の先発田中将(右)は捕手の甲斐とグータッチを交わす(撮影・たえ見朱実)
巨人対ヤクルト 2回を投げ2安打無失点に抑えた巨人の先発田中将(右)は捕手の甲斐とグータッチを交わす(撮影・たえ見朱実)