木下のナイスリリーフに尽きますね。1点リードの7回2死一、二塁で畠がアクシデント降板し、急きょ出番が巡ってきました。カウント2-1の打者優位で一打同点、逆転のシビれる場面で、しかも4番の太田です。通算の1軍登板は17試合目で、こうしたイレギュラーなマウンドも経験がないんじゃないでしょうか。投球練習中はさすがに緊張は隠せませんでしたが、いよいよ勝負という時に一度大きく息を吐きました。緊張しながらも冷静になれていたように感じました。
初球は低めのフォークを見極められてボール。太田はまだまだ、真っすぐ待ちを継続です。そして2球目、フォークをいいところから落として空振りを奪いました。直球だと思って振った太田はこれで迷いが生じたでしょう。フルカウントになって、次もフォークじゃないかと。そんな心理状態の中で、木下がズバッと157キロのストレートで空振り三振。相手の真っすぐ待ちを読んで逆手に取った坂本のリードもよかったし、要求通りに投げた木下も見事。2球目のフォークがピンチを脱した勝因です。
攻撃面では初回、福島のけん制死もあって嫌な雰囲気になりました。でも2死走者なしから森下と佐藤の連続二塁打で1点を先制したことが大きかった。連敗中は打線が湿りがちな中、ベンチのムードも良くなるし、先発高橋にも良い援護になりました。4回の2点目も大山の浅い中飛で、三走の森下をよく突っ込ませて犠飛にした。これは三塁コーチのナイス判断です。
高橋は6回、先頭の中川を0-2に追い込んでからツーシームを中前に運ばれ、リズムがおかしくなった。修正が効かなくなって甘い球を続けての3失点。直前の6回に熊谷の2点打で4-0となって少し緩んだのか。2-0のままならここまで崩れることはなかったかもしれません。無傷の8勝は立派のひとことです。(日刊スポーツ評論家)




