シーズン中の監督交代は、それほど珍しいことではない。ただ、交流戦中に三木監督が休養した楽天は、昨年までロッテ監督を務めていた吉井監督を招聘(しょうへい)した。

ロッテ対楽天 メンバー表の最終確認を終え、ロッテの監督時代にやっていたポーズでベンチへ戻る楽天吉井理人監督(撮影・鈴木みどり)
ロッテ対楽天 メンバー表の最終確認を終え、ロッテの監督時代にやっていたポーズでベンチへ戻る楽天吉井理人監督(撮影・鈴木みどり)

日本では異例中の異例だが、個人的な意見を言わせてもらうとしたら「あり」だと思う。チームを再建したいのなら、後任が少しでも早く監督に就任して、チームを把握してもらった方がいいに決まっている。ここまで最下位のチームに優勝を期待している訳ではないだろう。思い切った選手起用や、チーム改革のやりやすい環境がそろっている。

初戦はどんな野球をやるのか、楽しみにしていたが、スタメンオーダーを見てビックリした。今季初めて村林をスタメンから外し、ワォーターズを初めて遊撃でスタメン起用した。あくまでも個人的な考えだが、今の楽天で村林の存在は先発から外せない選手だと思っていたからだ。

村林一輝(2026年6月9日撮影)
村林一輝(2026年6月9日撮影)

そして捕手は、ここまで45試合にスタメン出場してきた太田ではなく、今季5試合目のスタメンとなった堀内を起用した。特に荘司が先発した11試合では、すべて太田が先発マスクをかぶっていただけに、新しい可能性を考えての起用だろう。おそらくセンターラインに守備を優先した選手を起用し、守りを固めていきたいという考えが優先したのだと思う。

ロッテ対楽天 3回裏ロッテ2死一、二塁、ネフタリ・ソトに2点適時二塁打を浴び、浮かない表情の荘司康誠。左は堀内謙伍(撮影・鈴木みどり)
ロッテ対楽天 3回裏ロッテ2死一、二塁、ネフタリ・ソトに2点適時二塁打を浴び、浮かない表情の荘司康誠。左は堀内謙伍(撮影・鈴木みどり)

ただ、ワォーターズは4打数1安打2三振。守備は良くても、村林との総合的な実力差はまだまだある。堀内にしてもワォーターズより試合経験はあるが、太田との差はありそう。吉井監督の立場からすると色々と試せるが、あまりに実力差がある場合、無理に競争させてもチームの雰囲気は悪くなる可能性がある。そこら辺の兼ね合いを見ながら、チーム再建を進めていくのだろう。

ロッテ対楽天 4回表楽天2死二塁、打者佐藤直樹の時、三盗を試みるもアウトになる二塁走者平良竜哉。三塁手安田尚憲(撮影・鈴木みどり)
ロッテ対楽天 4回表楽天2死二塁、打者佐藤直樹の時、三盗を試みるもアウトになる二塁走者平良竜哉。三塁手安田尚憲(撮影・鈴木みどり)

今試合を見ても、課題は山積み。4回2死二塁から3番佐藤のときに、二塁走者の平良が三盗を狙ってアウト。ここはよほど成功するという根拠がなければ、走ってはいけない場面だった。佐藤にしても5回先頭打者でセーフティーバントを試みてアウトになった。クリーンアップに起用されながらセーフティーバントを狙うのはいいが、カウント2-1ならば、打ちにいってほしい状況でもある。起用したベンチの期待を考えると、少しチグハグさを感じてしまった。

試合は満塁ホームランを打たれて逆転負け。幸先のいいスタートにはならなかったが、いろいろと試せたという点では収穫もあっただろう。今後の戦いぶりを注目していきたい。(日刊スポーツ評論家)