阪神の対DeNA戦は残念ながら雨天中止になった。19日のカード初戦に大勝していただけに、その勢いを生かしたかった。交流戦で大きく負け越したチームは一転、明らかに違うパフォーマンスを見せた。
森下、佐藤、大山のクリーンアップが機能した内容だったが、ここはあえてファーム落ちしたドラフト1位・立石正広内野手に触れてみたい。5月19日の中日戦(倉敷)で1軍デビューを果たして順調だったが、徐々に成績が下降した。
立石を論じるのはこれが初めての機会だ。創価大時代の成績をチェックし、ずっと観察しながら感じるのは、中距離ではない明らかに長距離タイプの打者であること。しかも広角に打てるし、走れて、アベレージも残すことができる素材だとみた。
その逸材が1軍で22試合に出場したが、徐々に打てなくなった。結局は打率2割2厘、2本塁打、9打点の成績で、6月17日に出場選手登録抹消。わずか1カ月足らずでファーム行き、改めてプロの技術を身につけることになった。
しかし、立石が心がけるべきことは「技術」でなく、1軍で試合に出続ける「体力」だろう。そもそも故障続きで、満足に自主トレ、キャンプをこなしていない。まずはシーズンを通してプレーできる力を蓄えることだ。
さまざまなトレーニングはしているだろうが、単独で体を鍛えるのと、チーム全体で動くキャンプで身につける体力の意味合いはまた違ってくる。今は主力になった森下、佐藤も、一朝一夕でここまでたどり着いたわけではない。
おそらく本人は技術面を気にしているだろう。だが今は“急がば回れ”で「技術」よりも「体力」を見直すこと。試合に出て、特打をし、特守をする。阪神が求める右の大砲候補であるのは確か。焦ることはない。後半戦に再び登場してくる姿を期待したい。
(日刊スポーツ評論家)




