心の中でつぶやいた。阪神あるある、やってくれ。先日、甲子園の室内練習場で広島戦の試合前練習を見ていると、ぽつんとシンガー・ソングライターの岡崎体育が立っていたからだ。

 型破りの人だ。ミュージックビデオ(MV)あるあるを歌詞にした『MUSIC VIDEO』を初めて聞いたとき、かつてない衝撃を受けた。「カメラ目線で歩きながら歌う 急に横からメンバーでてくる」。歌い始めで心奪われた。息つかせないMV映像に時も止まる。発想、表現、そして豊かな感性に脱帽です。

 ところで、なぜ、甲子園へ? 「小さい頃、若トラ寮の横に住んでて、父が阪神ファンだった影響を受けました」。西宮生まれの虎党だった。一般企業を退職して音楽を志し、昨年5月にメジャーデビューした。

 「僕も音楽界ではルーキーみたいな立場です。いろんな困難はありますが、阪神では北條選手がポジション争いをしている。シンパシーを受けて頑張りたい」

 30日放送のTBSラジオの取材で訪れたという。あの、タイガースに楽曲製作って…。「個人的にはオファーを頂ければ是非つくりたい。イチミュージシャンとして、阪神を盛り上げるのに一役買えれば光栄です」。独特の視点はユーチューブで話題沸騰だ。恐縮だが、あるあるを1つ。「代打の神様」とあがめられるのは、なぜか阪神だけ-。体育さん、いかがですか?【阪神担当 酒井俊作】