“ゼロの神話”が全日程終了まで続くことを、ひそかに期待していた。広島菊池が「究極の目標」と語っていたシーズン無失策。だが、惜しくも来季以降に持ち越しとなった。
20日の巨人戦の7回。無死一塁から一塁寄りの一、二塁間に力なく転がった長野のゴロをつかんだ。反時計回りに素早く回転して二塁送球。これが三塁方向にそれる悪送球となった。
シーズン半分が過ぎた80試合目での初失策。これは守備機会が多い二塁手としては驚異的だ。今季ここまで全試合スタメン出場して無失策の選手は、12球団で菊池ただ1人だった。
緒方監督は「あの守備力は本当に大きい。どれだけチームを救ってくれているか。経験と能力。野性的な勘だろうな」と語ったことがある。玉木内野守備走塁コーチも「打てなくても、守備だけでヒット3本くらいの価値がある」と話した。「忍者」とも形容される守備への信頼は絶大だ。
オリックス担当時代、二塁手の連続守備機会無失策「836」の日本記録保持者である福良監督に、当時の心境を聞いたことがある。更新する記録が700、800と節目を迎えるたびに「もう勘弁してよ」という気持ちになったそうだ。本人しか分からない重圧。それを想像すると、菊池の貢献の大きさは、さらに価値が高まる気がする。【広島担当 大池和幸】





